ニュース

ダムファンによるダムファンのための「ダムアワード 2016」決定 北海道の金山ダムが大賞に輝く

「低水管理賞」や「洪水調節賞」など、ディープなダムファンならではの部門賞も。

advertisement

 今年一番の優秀なダムを選出する「日本ダムアワード 2016」が12月18日に開催され、北海道の金山ダム(国土交通省管轄)が大賞に輝きました。北海道を襲った豪雨から、下流を守り切った働きが支持を得たと目されています。ダムファンならずとも納得できる選考。

大賞となった金山ダムの荘厳なたたずまい(撮影:炭素さん)
記念の大賞トロフィーと、各部門賞の盾。トロフィーにはダムの頂点にある「クレストラジアルゲート」がかたどられている(提供:日本ダムアワード選考委員会)

 ダムの事業者や建設業者に属さない、一般のダムファンによる選考委員会が主導し、選考を行うイベント。ダムの業界およびファンの活性化への寄与と、ダムの役割や効果の周知を目的としています。

結果発表時の様子(提供:日本ダムアワード選考委員会)

 選考理由はあくまでも、一般参加者と選考委員の投票によるものですが、編集部は選考委の1人である萩原雅紀さんに寸評をうかがいました。萩原さんは、金山ダムが大賞となった理由を、今年の豪雨に耐えた点が評価されたのではないかと考察。特に大規模な被害が出た空知川流域をなんとか守ろうと、ギリギリまで水をたくわえた働きを評価しています。

advertisement

 同イベントではさまざまな部門賞も設けられており、印象深い洪水調節を行ったダムに与えられる「洪水調節賞」は金山ダムが受賞し、二冠達成となりました。

 河川水の管理面を評価する「低水管理賞」は、「前例のないほどの渇水に見舞われた状況を、ダム職員と下流の農家の献身的な協力で乗り切った」(荻原さん)、福島県の羽鳥ダム(農林水産省管轄)が受賞。印象的な放流を行ったダムをたたえる「放流賞」には、「発電用ダムにもかかわらず観光のため特例的に放流した(※)」(萩原さん)、宮崎県の上椎葉ダム(九州電力管轄)が輝きました。

※萩原さんいわく、発電用ダムの水は発電所を通せば確実に電力を生むため、本来電力会社は1滴も無駄にしないそうです
低水管理賞と放流賞の選考中(提供:日本ダムアワード選考委員会)

 ほかにも、演出のきれいな山形県の月山ダム(国交省管轄)が、臨時部門の「ライトアップ賞」、トンネル開通の瞬間を一般見学会で公開した愛媛県の鹿野川ダム(国交省管轄)が「イベント賞」を受賞。萩原さんの寸評で選考の要因を知るにつけ、ダムの大切さと魅力に気づかされた次第です。

(沓澤真二)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 刺しゅう糸を20時間編んで、完成したのは…… ふんわり繊細な“芸術品”へ「ときめきやばい」「美しすぎる!」
  2. 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」【大谷翔平激動の2024年 現地では「プレー以外のふるまい」も話題に】
  3. 友達が描いた“すっぴんで麺啜ってる私の油絵"が1000万表示 普段とのギャップに「全力の悪意と全力の愛情を感じる」
  4. 後輩が入手した50円玉→よく見ると…… “衝撃価値”の不良品硬貨が1000万表示 「コインショップへ持っていけ!」
  5. 毛糸6色を使って、編んでいくと…… 初心者でも超簡単にできる“おしゃれアイテム”が「とっても可愛い」「どっぷりハマってしまいました」
  6. 「これは家宝級」 リサイクルショップで買った3000円家具→“まさかの企業”が作っていた「幻の品」で大仰天
  7. 「人のような寝方……」 “猫とは思えぬ姿”で和室に寝っ転がる姿が377万表示の人気 「見ろのヴィーナス」
  8. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  9. 余りがちなクリアファイルをリメイクしたら…… 暮らしや旅先で必ず役に立つアイテムに大変身「目からウロコ」「使いやすそう!」
  10. 山奥で数十年放置された“コケと泥だらけ”の水槽→丹念に掃除したら…… スッキリよみがえった姿に「いや〜凄い凄い」と210万再生