ワンオペ賛美か子育ての現実か、ムーニーCMに賛否両論 → 対照的なパンパースCMにも注目集まる 各社の思いは
母親の忙しさを描く動画と、子どもの大切さを描いた動画。
初めての子育てに孤軍奮闘するムーニーのPR動画に「ワンオペ育児を称賛する内容」「子育ての現実を描いている」など賛否両論が巻き起こる中、別の視点で子育てを描いたパンパースのCMにも注目が集まっています。ポイントとなったのは、子育てへの周囲の協力の有無。ムーニーを販売するユニ・チャームとパンパースを販売するP&Gに取材し、この映像を制作した背景を聞きました。
忙しい母親を描いたムーニーのCMに賛否両論
ムーニーのCMは、不慣れながらも初めての育児に挑戦していく内容で、公開されたのは2016年12月。植村花菜さんが歌う「moms don’t cry」という歌に乗せ、泣いた赤ちゃんに困惑する様子や赤ちゃんを抱えながら急いで食事をする様子など、母親の苦労が描かれていましたが、他の家族が育児に協力する姿はほとんど映されていません。動画は「その時間が、いつか宝物になる。」というメッセージと共に締めくくられます。
この内容について、SNSでは「めっちゃくちゃ辛い地獄の時期思い出して泣けた」「誰からも助けの手が入らなかったのを、『いつか宝物になる』と言ったのは本当によくない」などの批判もありましたが、「あそこまでリアルに描いたのはある意味すごい」「ワンオペじゃなくても母親の負担ってこれだけあると思う」など育児の実情を描いたことに関して評価する意見も寄せられています。
子どもの大切さを描いたパンパースのCMには称賛の声が集まる
一方、パンパースのCM(2016年2月公開)は子守歌を歌う母親、夜通し抱っこする父親、本を読んであげるために文字を勉強する祖母、子どもを笑わせようとするガードマンなど、大人みんなが協力し子どものために行動する姿が映されており、孤軍奮闘する母親を描いたムーニーのCMとは対照的な内容になっています。
パンパースのCMに対しては批判意見はほとんどなく、「『子どもは社会の宝』を地でいってる」「パンパースのCM見たら泣けてきました」など称賛する声が多数集まっています。
各社の見解は
ユニ・チャーム広報にムーニーのCMへどういう思いを込めたのか聞いたところ、「子育ての理想と現実の違いに悩むお母さんがたくさんいます。子育てのリアルな日常を描くことで応援につなげたいという思いがありました。けして“ワンオペ育児”を推奨するわけではありません」と語りました。動画の掲出を止める可能性については「削除する予定はありません」と否定。動画に賛否が集まっていることについては「本当にありがたいです。感動したという声や理解してもらいづらい世界を描いてもらってうれしいという声があり、賛否両論はありますが賛同意見の方が多い傾向にあります」とコメントしました。
また、P&G広報はパンパースのCMについて「パンパースは生まれてくる全ての赤ちゃんの成長を応援したいというのがブランドの信念であり、その信念を伝えたいと思ってこのビデオを制作しました」と制作の意図を語りました。
母親の忙しさを描く動画と、子どもの大切さを描いた動画。賛否両論はあるものの、どちらの動画にも重要な思いが込められていたようです。
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