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海外の『スプラトゥーン2』広場に突如大量の「ケモノ」イラストが投稿される、その理由とは

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 ここ数日、海外版『スプラトゥーン2』の広場にて大量の「ケモノ」イラストが目撃されている。SNS上や海外フォーラムではその模様がスクリーンショットと共に報告されており、おおよそ『スプラトゥーン2』とは関係ないと思えるイラストが多数表示される状況に、少なくないプレイヤーが「なぜ?」と困惑しているようだ。Kotakuもこの様子を報じている。

ケモノイラストであふれかえる広場

 いくらか擬人化した動物キャラクターをケモノと呼び、それを愛する人たちを「ケモナー」と呼ぶ文化が国内でもあるように、海外ではケモノやケモナーのことは「Furries」「Furry Fans」と呼ばれている。Furriesは毛皮を意味する「Fur」を語源としているが、必ずしも毛皮のある動物のみを対象としているわけではない。ゆえに『スプラトゥーン』のキャラクターであるインクリングもFurriesだとする声もあり、そうしたコミュニティに同作は支持されている。行為の正悪に関しては後述するが、そういったファンたちが『スプラトゥーン2』の広場にケモノイラストを投稿したくなるというのは、考えられる流れだと言えるだろう。

 とはいえ、なぜここまで大量のケモノイラストが『スプラトゥーン2』の広場を埋め尽くすことになったのか。問題の発端となった投稿などは判明していない。ただ、「ケモノ嫌い」のユーザーたちが嫌悪感を示し、「ケモノイラストを投稿するのは辞めよう」というイラストを投稿、さらにケモノイラストの投稿者らがそれに反対するイラストを描き、結果としてケモノイラストが増加していったとみられている。『スプラトゥーン2』の広場を舞台に、第三者との唯一のメッセージ交換手段であるイラストを使って、「ケモノイラストを投稿しよう派」と「ケモノイラストを撲滅しよう派」の合戦が勃発してしまったのだ。

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 redditやgamefaqsといったフォーラムには「何が起こっているのか」といった疑問の声から、「ケモノの絵は不快だ」と怒りを見せる声まで投稿されており、広場が異様な雰囲気に包まれていることがわかる。この一連の流れは「Furries War」と呼ばれている。直訳すると「ケモノ戦争」といったところだろう。意外にも『スプラトゥーン2』と「ケモノコミュニティ」の方向性がある種一致しており、かつイラスト投稿のシステムが、ケモナーの主張の場としてうってつけだったというわけだ。こうした奇妙な相性のよさが、『スプラトゥーン2』がケモノ戦争の主戦場となってしまった理由だろう。ちなみに、今週末には『スプラトゥーン2』において「ケチャップvsマヨネーズ」と題したフェスが開催される予定。このフェスの流れにのってケモノ戦争を巻き起こしたのはないかという意見もある。Redditでは「次のフェスはニンゲンvsケモノでやろう」と茶化すコメントがupvoteされている。

子供に見せられるイラストか

 前述したredditやファンフォーラムでは、こうしたイラストの投稿について懐疑的な意見が多い。というのも、特に海外ではFurriesというコンテンツには、往々にして性的な内容が含まれていることがあるからだ。低年齢のプレイヤーが、こうした「アダルトコンテンツへと至るジャンルのアート」を閲覧することの意味を考えるべきではないかと疑問が呈されている。単純にこの手のイラストを好まないユーザーにとってもあまり都合がよいとは言えない。広場のイラストは投稿の非表示の選択はできるものの、特定ジャンルを自動的にフィルタリングできないので、一部のユーザーは「しばらくプレイしないという手段をとる」と嘆いている。


広場にはケモノのイラスト同様に、「ケモノのイラストを描かないで!」というイラストもまた投稿されている。

 日本国内ではケモナーに限らず、こういった特定のジャンルに趣味を持つユーザーはいわゆる“地下”に身を潜めており、見えないところで趣味を共有するというマナーを重んじていることが多い。一方で今回のケースでは、一部のケモナーたちがジャンルを認めさせようと模索しており、その結果イラストが公の場で大量に投稿されている。ただ、突然のケモノイラストの大量投下は、そのジャンルの許容を促すどころか、イメージを悪くしてしまった側面があることは否定できない。『スプラトゥーン2』のイラスト広場はゲームの雰囲気を形作る重要な要素であるだけに、ゲームと関連したイラスト投稿で盛り上がって欲しいところだ。

【UPDATE 2017/8/3 19:00】

投稿の表示とフィルタリングの記述について、本文の一部を訂正・加筆しました。

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