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Steamではついに同時プレイ数1位に 世界中が熱狂する多人数バトロワゲーム「PUBG」の魅力とは週末珍ゲー紀行

映画「バトル・ロワイアル」に触発された作品。

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 世の中にあふれる“変なゲーム(珍ゲー)”を紹介する「週末珍ゲー紀行」。第5回は最大100人のプレイヤーが絶海の孤島で最後の1人になるまで殺し合う、PC向けオンライン対戦ゲームPLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS(通称、PUBG)」を、Steamで現在もっともプレイヤー数が多いゲームに成長した今だからこそあらためてピックアップします。

ライター:Ritsuko Kawai

カナダ育ちの脳筋女子ゲーマー。塾講師、ホステス、ニュースサイト編集者を経て、現在はフリーライター。下ネタと社会問題に光を当てるのが仕事です。洋ゲーならジャンルを問わず何でもプレイしますが、ヒゲとマッチョが出てくる作品にくびったけ。Steamでカワイイ絵文字を集めるのにハマっています。趣味は葉巻とウォッカと映画鑑賞。ネコ好き。

 もはやゲーマーの間では説明不要ですが、具体的にどれくらい盛況でなぜそんなに人気なのか、普段あまりFPSやTPSを遊ばない人にも分かるように説明します。

 最近では国内外を問わず、どのゲームメディアも日刊「PUBG」かと言わんばかりに毎日取り上げている同作。PCゲームに疎い人でも名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。

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 「PUBG」がSteamに登場したのは2017年3月のこと。まだ開発途中の「早期アクセス版」でしたが、発売されるとその魅力に取りつかれるプレイヤーが続出。たちまちSteamのセールスランキング1位に躍り出ました。

 実際にどれくらい人気かというと、これまでSteamでもっとも遊ばれているゲームとして長らく王座に君臨していたValveの自社タイトル「Dota 2」「CS:GO」を抜いて、ぶっちぎりのトップに躍り出るほど。ピーク時で90万人近いプレイヤーが全世界で同時に接続している盛況ぶりです。動画配信サイト「Twitch」でも累計視聴者数が「League of Legends」や「Hearthstone」といったe-Sportsの人気ゲームをしのぐほどの脚光を浴びています。

持ち運べる物資の重量は限られているので取捨選択は必須

 「PUBG」の何がそこまで人々を魅了するのか、どうしてそんなに気軽に殺し合うのか、そしてみんなが口をそろえて欲しがるドン勝とは何なのか。

 人気の理由は何と言っても、1試合に要する時間が極めて短く、ちょっとした空き時間に遊べる手軽さと、どんな手を使ってでも生き延びたい気持ちにさせる緊張感、そして100人の壮絶なバトル・ロワイアルを見事勝ち抜いた瞬間に訪れるオルガズムのような快感にあります。

いち早く移動手段を確保して予想収束地点へ移動するのが鍵

 そのプレイヤー人口の多さから、どんな時間帯でもほぼ一瞬でマッチングします。あまりに早いのでキャンセルをクリックしても間に合わないほど。試合中は数分ごとに競技エリアが狭まっていくので、どんなに長引いても20分程度で決着がつきます。また、途中で死んでもすぐさま新しいゲームを始められるので、開始早々に負けても待ち時間のストレスを感じることはありません。

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 しかも、無人島への降下地点やマップの縮小パターンは毎回異なります。プレイするたびに主戦場となる地形や建造物、手に入る武器やアイテムといった環境が変化するため、常に新鮮なサバイバルを体験できるというわけです。

 特筆すべきは手に汗握る緊張感。弱肉強食の世界では、獲物を狙っているハンターが別の捕食者の標的にされているなんて状況は少なくありません。「PUBG」では自分以外の全員が敵です。どんなに強力な銃器を手に入れようと、発砲すれば自分の居場所を知らせてしまいます。フライパンしか持っていない哀れな子羊を殺したと思った次の瞬間、別の相手に背後を取られるなんて日常茶飯事。倒した相手の遺品をあさる時ほど細心の警戒が必要です。

 ゲーム開始直後ならまだしも、残り10人程度に差し掛かる終盤は見つかれば死を意味します。いかに自分の手を汚さずに漁夫の利を得るか。恐怖はやがて快感に変わります。

定期的に投下される支援物資の周りは常に危険でいっぱい
最後の最後にたった1人を殺すだけでも頂点に立てる

 もっとも生存率を高める方法は、最後の2人になるまでコソコソと逃げ回って自分の居場所を知られないこと。魚が水面ギリギリで虫を食べた瞬間を狙う猛禽類になりきることです。

 そして見事生き残り100人の頂点に立った際に表示される「勝った! 勝った! 夕飯はドン勝だ!!」という謎のフレーズ。とんかつを韓国語で発音したこのドン勝こそが、プレイヤーたちが欲して止まない勝利の美酒。その達成感に一度でも酔いしれれば、やみつきになること間違いなし。なぜみんながこれほどシンプルな殺し合いを延々と繰り返すのかが理解できるでしょう。

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 もしかしたら私たちは誰かを殺したくて「PUBG」をプレイしているのではなく、ドン勝を食すことで生きていることを実感したいのかもしれません。

Ritsuko Kawai

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