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絶対にネタバレは見ないでください 海外生まれのビジュアルノベル「Doki Doki Literature Club!」があなたに問いかけるもの週末珍ゲー紀行

ヲタクの妄想に秘められたアンチテーゼ。

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 海外ゲームファンの間で現在、大反響を巻き起こしているゲームDoki Doki Literature Club!。Steamの現在の評価は「圧倒的に好評」で(10月27日時点)、レビュー総数1万2250件のうち97%が“好評”という、ちょっと見たことがないレベルの高評価を獲得しています。

なかなか見られない「圧倒的に好評」表示

 公式サイトやゲーム画面を見ても“よくあるビジュアルノベル”にしか見えない同作ですが、一体何がそこまで評価されているのか? 「週末珍ゲー紀行」第9回はそんな「Doki Doki Literature Club!」を取り上げます。

 なお、この記事内でも核心部分には触れないよう配慮していますが、少しでも前情報を入れずに遊びたい人は、今すぐにページを閉じて遊んでみることをおすすめします。

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ライター:Ritsuko Kawai

カナダ育ちの脳筋女子ゲーマー。塾講師、ホステス、ニュースサイト編集者を経て、現在はフリーライター。下ネタと社会問題に光を当てるのが仕事です。洋ゲーならジャンルを問わず何でもプレイしますが、ヒゲとマッチョが出てくる作品にくびったけ。Steamでカワイイ絵文字を集めるのにハマっています。趣味は葉巻とウォッカと映画鑑賞。ネコ好き。

スタッフロールが流れるまでゲームは終わっていない

 世の中にあふれる“変なゲーム(珍ゲー)”を紹介する「週末珍ゲー紀行」。第9回はギャルゲーの皮をかぶった精神的ホラーなビジュアルノベルDoki Doki Literature Club!を紹介します。

 なんてことはない。ただのアニメオタクが理由もなく初対面の美少女にモテまくる萌え系ハーレムゲームだと思いますよね。否。最後までプレイすれば、衝撃の真実と非情な現実を突きつけられるでしょう。あなたが現状を把握できて、真のエンディングにたどり着ければの話ですが。

 主人公はアニメオタクの学生です。毎日寝坊してくるドジっ子な幼なじみの女の子がいて、もちろん主人公が大好きで無償の愛情であふれています。彼女の猛烈アタックをきっかけに、ひょんなことから読書クラブに入部したら美少女だらけのハーレム状態。しかも全員が理由もなく漫画しか読んだことのないアニオタにくびったけ。ここまではいつもの光景ですよね。実生活では味わえないオタクの妄想をかなえるのがギャルゲーの醍醐味ですから。

 しかし、これだけで終わらないのが「Doki Doki Literature Club!」です。ゲームを起動すると最初に表示されるのが、「お子様や精神的に不安定な方、うつ病を患っている人は不快に感じる可能性があります」という旨のギャルゲーらしからぬ警告文。これが何を意味するのかは、延々と垂れ流される中身のない妄想恋愛ごっこでお腹がいっぱいになったころに理解できるでしょう。それこそが本作の正体であり、公式フォーラムにて開発者があらかじめネタバレ厳禁とクギを差しているゆえんです。

Just Monika
幼なじみのサヨリは主人公が好きすぎて死にそう

 Steamストアページの精神的恐怖というタグや上記の警告文から、鬱なシナリオやグロ画像を想像する人もいるかもしれません。ネタバレした時点でプレイする価値は水泡に帰してしまうので、具体的な内容には一切触れられません。ただ1つだけいえるのは、主人公がスキーのストックで突き殺されるだとか、ヤンデレのヒロインが別のヒロインの腹を掻っ捌いて中に赤ちゃんがいるかどうか確認するだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片りんを味わえるだろうということだけです。

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 もしかしたら少し遊んだだけでは、本作がドキドキさせる真の理由を理解できないかもしれません。ショッキングな事件が起こって心臓が止まりそうになったからといって、それだけが精神的恐怖の正体ではありません。たとえモニターに「END」と表示されてタイトル画面に戻ったとしても、それだけがコンテンツの全てではありません。“スタッフロールが流れるまでゲームは終わっていない”という、全てのゲームにおける共通の事実だけは絶対に忘れないでください。

ロリ系ツンデレのナツキはお菓子作りが得意な子
黒髪ロング清楚系のユリはシャイだけど独占欲が強い

 そもそもよく考えてみてください。ギャルゲーのヒロインたちはどうして特徴がないのが特徴で、これといってアピールポイントもないアニオタ童貞主人公に無条件でほれてしまうのだと思いますか。それは彼女らの意志ですか。彼女らは誰に向かって話しているのでしょうか。真実の扉を開いて現実と向き合う覚悟と勇気があるなら、ゲームプレイ中にデータがインストールされているフォルダをのぞいてみてください。もしかしたら創造主が残した狂気、あるいは性的に消費されるだけの“彼女”が刻んだ心の声が聞こえてくるかもしれません。

 現段階では英語のみ対応なので、英文がほとんど読めない人には少しハードルが高いかもしれませんが、ゲーム自体は無料です。もし少しでも興味を持っているなら、絶対にフォーラムや動画サイトでネタバレだけは見ないでください。何度でも繰り返しますが、ネタバレを見た時点でプレイする価値は一切ありません。そして警告が示す通り、精神的に不安定な人にはあまりおすすめできません。以上のことを踏まえて、PCの扱いに関する最低限の知識さえあれば、乳袋が舞い踊るヲタクの妄想に秘められたアンチテーゼを心の片隅に刻み込めるでしょう。

Ritsuko Kawai

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ゲーム | ネタバレ | オタク | 妄想 | ギャルゲー

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