「ゲーム障害」を疾病に分類 WHOの草案で
ゲーム業界団体は方向展開を求めています。
ゲームへの重度の依存が、2018年に世界保健機関(WHO)によって疾病に分類されるかもしれません。2017年末ごろか海外メディアで報じられ注目が集まっています。
2018年に発行予定の「疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)」第11版の草案では、6章「精神、行動、神経発達の障害」の「中毒的行動による障害」に「ゲーム障害」が盛り込まれています。ICDとは、WHOによって国際的に統一された疾病、傷害、死因の統計分類の体系。
草案では、ゲーム障害は抑制ができず、日常生活よりもゲームを優先し、ネガティブな結果にもかかわらずゲームを継続・エスカレートさせ、「個人、家庭、社会、教育、仕事などの機能の重要な部分に深刻な支障が起きる」といった説明がなされています。またこのような症状が12カ月以上続くとゲーム障害と診断されるものの、症状が深刻であれば短い期間でも診断される場合があるとしています。
また24章「健康状態に影響を及ぼす要因または保健サービスの利用」の「保健行動に関わる問題」に「有害なゲーミング」も盛り込まれ、「有害なゲーミング」は、個人あるいは周囲の他者の物理的、精神的な健康に有害な結果をもたらすと説明されています。
草案について、ゲーム業界団体のエンターテインメントソフトウェア協会(ESA)はメディアに対し、「WHOは、常識と客観的な研究により、ゲームは中毒性がないことが証明されていると知っている。これらに公式にレッテルを貼ることは、うつ病や社会不安障害など本当の精神疾患の問題を矮小(わいしょう)化する」とコメント。WHOに方向転換を強く推奨するとしています。
これらの内容は草案の段階で、まだ確定していません。ICD第11版の最終版は5月の世界保健総会で採択の見通しとなっています。
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