ニュース

編集者との関係は? 現地の漫画家に聞くドイツ漫画家事情(1/2 ページ)

ドイツ初の女性漫画家クリスティーナ・プラカさんを訪ねてきました。

advertisement

 ドイツのアニメ漫画ファンが集まるイベントに、描き手のブースが並ぶものの(関連記事)、イラストが多く漫画はあまりありません。その一方でこの種のイベントにドイツの漫画家がよく招待されているのを見かけます。ドイツ初の女性漫画家としてデビューしたクリスティーナ・プラカさんを訪ね、ドイツの漫画家事情について話を聞きました。

クリスティーナ・プラカ
クリスティーナ・プラカさん。プラカさんのところには日本の漫画がたくさん(取材は2017年8月末に実施)
クリスティーナ・プラカ 作品
プラカさんの作品たち

ドイツ初の女性漫画家

 プラカさんは2002年にドイツの漫画出版社カールゼンと商業契約を結び、初の女性漫画家としてデビューした草分け的な存在です。現在までストーリー漫画を中心に作品を発表しています。漫画制作と並行してゲーテ大学(フランクフルト)で日本学を学んだ後、京都精華大学院に進学して漫画研究に携わった経歴を持つ、日本語も堪能な漫画家です。その後、2016年にフランクフルト近郊の町オッフェンバッハに漫画教室「アイ・アム・漫画家」を開き、現在は後進の育成にも力を注いでいます。

クリスティーナ・プラカ
漫画に関する日本語の文献も

新人漫画家ブームもあったが……

 2002年にプラカさんがデビューしたのは翻訳漫画を出版するカールゼンが発行する漫画雑誌「ダイスキ」。日本の漫画の翻訳が毎月読める雑誌ですが、プラカさんはオリジナル作品の連載をスタートさせました。2003年には初の単行本「プルシャン・ブルー」を発売。

advertisement
ダイスキ
ドイツの月刊漫画誌「ダイスキ」を手に取るプラカさん。雑誌は2003年に創刊。残念ながら現在は休刊しています

 2004年にはニナ・ヴェルナーさんといったドイツ人の漫画家が次々とデビューしました。プラカさんによると2006年は新人漫画家のブームで、50人くらいの漫画家が誕生。ただし、多くの漫画家の作品は通常の単行本より小さい「チビ」フォーマットだったり、短編集に参加したりといった活動にとどまっていました。そして2008年、2009年はこうしたブームが一段落。市場が飽和する一方で作品のクオリティーにも問題があったのではとプラカさんは振り返ります。

ドイツの漫画
ドイツの漫画たち。下段は「チビ」フォーマットの作品

 現在では、描き手はオンラインで作品を発表できることもあり、出版社の役割は新人をデビューさせることから変わりつつあるのではとプラカさんは考えています。プロの漫画家は数では少なくなったが、クオリティーは向上したそうです。

       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 築53年家賃4万円・何てことない団地のドアを開けると…… まさかの空間出現に驚きの声「素敵」「ここまでお洒落に」
  2. 食パンの留め具、捨てないで! ペタっと貼るだけで…… 目からウロコの“活用法”が100万再生「天才」「絶対試す」【海外】
  3. 自販機に“1000円”を入れたら……? 出てきた“とんでもないお釣り”にお口あんぐり「こんなん初めて見た」
  4. 「久々の大ヒット」 ワークマンの暑さ対策最強“2900円アウター”に絶賛の声 「マジで涼しい」「夏はこのウェア一択」
  5. 園遊会のお土産「1個800円超えの和菓子」が話題に ほどよい甘さが特徴【天皇皇后両陛下主催】
  6. 「え?」「マジか」 サイゼリヤ、“人気メニュー”の消滅に悲しみの声 「安泰だとおもってたのに」
  7. マクドナルド、突然“最強のアイテム”を発表→いきなりの凶行に「なんでそういうことするんw」「欲しすぎる」 “元祖”も反応
  8. 先祖の残した箱を開けたら“謎の絵”が出てきて…… 不明な正体に「教えてツイッターランドの人」→「激アツ」「なんか既視感」と890万表示
  9. 国道でひとりぼっちの老犬→必死に追いかけ保護して1年後……「涙なしでは見られません」 心温まる光景が548万再生
  10. 「もはや別物」 人気ブランドの“復刻アパレル”が話題も…… 「全然違う」「なんで」複雑な受け止め広がる