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有名楽器店元店長、客のベースを質屋に売って逮捕 利用客には紅白出場アーティストも(1/2 ページ)

店の事情をよく知るアーティストにお話を聞きました。

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 東京・杉並区の楽器店「BUDDY SOUND WORKS(バディサウンドワークス)」の元店長が、客から預かったベースギターを無断で質入れしたとして、業務上横領の疑いで2月14日に逮捕されました。同店では2017年9月ごろから「リペアに出した楽器が帰ってこない」など複数の被害報告がされていました。

逮捕された山本誠容疑者(BUDDY SOUND WORKS(バディサウンドワークス)公式サイトより)

 逮捕されたのは同店の元店長で職業不詳の山本誠容疑者(埼玉県本庄市)。2017年10月中旬ごろに練馬区の男性から修理目的で預かったベース1本(時価100万円相当)を無断で質入れし、現金25万円を得たもの。業務上横領の疑いがもたれています。

 同店はプロのメジャーアーティストも訪れる有名店で、客の中には紅白歌合戦に出場したバンドのメンバーや有名アーティストのバックで演奏するプレイヤーも多数いたとのこと。ねとらぼ編集部では利用客であり、山本容疑者との親交もあったというベーシスト/ギタリストのSerpent Tamura(@SerpentTamura)さんにお話をうかがいました。

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取材に応じてくれたSerpent Tamura(@SerpentTamura)さん(Serpent Tamuraさん提供)

 Tamuraさんは、Sweetie Junk Fileなどのバンドでベースを弾くプレイヤー。2014年ごろに知人を介して山本容疑者と知り合い、複数回にわたって食事をする仲に。同店が移転をした際には内装工事を手伝ったこともあるそうです。しかしある時期、山本容疑者にアンプの中古販売を委託したところ、入金の約束が守られないという事態が発生。その後も別の機材の中古販売を委託した際、Tamuraさんに断りなく、栃木県内の別の楽器販売会社に機材を移して委託販売を行っていたことが発覚しました。

 最終的に代金の回収には至りましたが、これを機にTamuraさんは「山本さんはお金にルーズすぎる。もう二度と仕事はお願いしない」と決めたといいます。そんな山本容疑者ですが、人間的には面倒見が良い一面があり、多くのアーティストから慕われていたこともあって店は盛況だったとTamuraさん。一方で、山本容疑者が一部の利用者に行っていた“お友達価格”や“丼勘定”すぎる経営には心配の声も上がっていたそうです。

 事件については知人から「リペア(修理)のために預けている楽器が返ってこない。山本さんと連絡がつかない」と相談を受けた2017年9月ごろに初めて知ったとのこと。中には「お客さんから預かった楽器を勝手に売ってお金にしている」というウワサもあり、Tamuraさんが同店の元従業員などにコンタクトをとったところ、皆一様に「連絡がつかない」との返答だったそうです。

 自身が被害に遭った訳ではありませんでしたが、Tamuraさんは知人の機材を取り返してあげたい一心で9月17日に山本容疑者に電話。すると、久しぶりの連絡だったのにもかからわず、なんと2コールで着信に応答したという山本容疑者。驚いたTamuraさんが「皆連絡が取れないと言って困っている」「預かった機材を返してあげて欲しい」と訴えると、「交通事故や以前発病した心筋梗塞の後遺症の悪化が重なり埼玉の実家で療養している」「機材や楽器は実家にあるので、返すつもりがある」と話したとのこと。電話の様子が「いつもと変わらない感じ」だったため、このときは「少し混乱した」とTamuraさん。

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