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読書ばかりで友達がいない 「私は自分勝手」と思い込んでいた妻に逆の解釈伝える夫の漫画に救われる人が続出

夫の言葉で「子供の頃の自分を肯定できるようになった」と奥さん。

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 「私は子供の頃から自分勝手で」――そう思いこんでいた妻に、本当は逆の性格ではないかと夫が気付かせる漫画が話題となっています。描いたのは漫画家の漢弾地さんで、自身と奥さんの間で交わされたやり取りを漫画にしています。

妻は自分勝手だと思っていても

 漢弾地さんの奥さんは子どものころは本を読むのが大好きで、友達と遊ぶことが少なかったそうです。母親から「家に学校のお友達を呼んでいいのよ?」と言われても「学校の友達はいないよ?」と答えて、母親を心配させていました。

 そんな幼少期を過ごしていたためか、「人付き合いが悪く協調性がない」と自分も周囲も思っていたようです。しかし、漢弾地さんは奥さんと結婚して長い時間を一緒に過ごしてきましたが、そのようなことは思わず、逆に人を大切にしていると感じていました。

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周囲が持っていたイメージと夫が持つイメージが違う

 奥さんは時々、自嘲気味に「私は子供の頃から自分勝手で人のことを考えないところがある」と言っていましたが、漢弾地さんはその発言に疑問を持っていました。あるとき、漢弾地さんは奥さんに思いついたことを話してみました。「あなたは子供の頃、本と人を区別していたのではなく、本も人と同じように感じていたのではないか?」と。

 奥さんは本そのものを人と感じており、本を読むことは誰かと会話をしたり、遊んでいたりすることと同じ意味だったのではないか――漢弾地さんはそんな解釈を伝えました。「本を読む」ことで人を拒絶していたのではなく、人と過ごしていた、ということです。

本を読むことは誰かと話したり遊んだりするのと同じ感覚

 さらに奥さんは、本を通じて作品の作者や読者という人を大切にしていたのではないか、というのが漢弾地さんの考えでした。それを聞いた奥さんは「確かに本を読みながら、これを書いた人は面白いと作者のことを感じながら読んでいた」「作者や読者と一緒にいることが忙しくて、学校の友だちと遊ぶ時間がなかったんだ」と気づきました。

 周囲からは人を拒絶していたように見えていても、実は奥さんはずっと人といて人を大事にしていたのだと、と漢弾地さんは本人が気づいていなかった側面を伝えたのでした。

作者や読者という「人」を大事にしていた

 漢弾地さんから見た奥さんに対する1つの解釈でしたが、奥さんも納得できる内容で、「子供の頃の自分を肯定できるようになった」と話してくれたそうです。漢弾地さんが奥さんの過去の物語をそんなふうに読み解けたのは、奥さんと同じように人を大切にする読み方をしたためなのかもしれません。自分勝手だと思っていた性格について「あなたはきっと悪くなかった」と伝えたことが奥さんの考え方を変えるきっかけとなりました。

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「あなたはきっと悪くなかった」と言えてよかった

 Twitterでは「私もまさに奥様と同じで、周りからも同じように言われ、自分自身も『本の中の人と遊ぶ』感覚で本を読んでいました」という共感の投稿や「自習の時間に1人で本を読んでたことがあってハブられたことがありました。周りの友達は自習で誰もいない=友達と話すところを私は本と話してたのだなと思いました」「私も学校の図書館が大好きで児童書ばっかり読んで友達と遊んだりしない子でした。何か救われました」と漫画を読んで自分も一人で本を読んでいたときはそういう気持ちだったんだと気づくことができたといった投稿が寄せられていました。

 漢弾地さんはTwitterでも夫婦の日常漫画を投稿しています。夫婦の日常エッセイ漫画『僕と妻の場合――僕たち夫婦が仲良く暮らしている理由』も販売中です。

今回の漫画は以前描いた漫画「言葉は時を越えて」の会話について詳しく描いたものでした

画像提供:漢弾地さん

(植木鉢)

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