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“おすしスタイル”で味わうモンブランって何!? 代々木公園「モンブランスタイル」の圧倒的“栗感”に衝撃

今まで食べていたモンブランとは異次元のモンブランがそこにある。

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 栗菓子の名店として知られる「和栗や」(谷中銀座商店街)が5月に出店したモンブラン専門店、「モンブランスタイル」に度肝を抜かれる人が続出しています。これまでの概念を覆す“おすしスタイル”のモンブランはなぜ生まれたのか、お店を取材しました。

モンブランスタイルのモンブラン デセル
カウンター前で一つ一つ絞ってくれるモンブランに連日長い列ができている

 代々木公園駅から徒歩2分のところにある「モンブランスタイル」。のれんをくぐると、8席のカウンターが並んだ落ち着いた空間が広がっています。

お店の外観
のれんをくぐって入店
店内
おすしやさんのようなカウンター
お店の奥には「和栗や」ののれん

 メニューは繊細な栗の風味が楽しめる「モンブラン デセル」と、自家製の栗アイスにミニモンブランが乗った「モンブランパフェ」の2種類のみ。今回はおすすめだという「モンブラン デセル」と「厳選 茎ほうじ茶(温)」のセット(1482円)に、「モンブランパフェ」(単品1389円)をお願いしてみました。

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モンブラン デセル
モンブランパフェ(撮影時の季節のアクセントは「桃のジェラート」)

 作ってくださるのは「和栗や」の代表を務める竿代信也さん。

 注文を受けてから専用の搾り器でモンブランクリームを絞り、栗の渋皮を使用した栗のクリームを入れたら、緩めの生クリームとサックサクのメレンゲをトッピング。さらにもう一度モンブランクリームを絞り、最後にアイシングシュガーをふりかければ「モンブラン デセル」が完成です。

クリームを型に入れて
整えたら
お皿に絞り出していく
生クリーム
粉糖を振りかけて完成

 食べるのがもったいなくなるような美しさですが、「栗の食感や風味を第一に考えて作っているモンブランで、一刻も早く食べたほうが良い」とのことなので、早速いただいてみます。スプーンを入れてまず感じたのは、モンブランクリームが従来のモンブランの比にはならないほどしっかりしていること。食べる前から「これは普通のモンブランではない」と伝わってきます。

 そして口に入れた瞬間、芳醇な栗の風味が口の中で爆発……! 何だこれは。本当にモンブランなのか。いや、今まで食べていたのはモンブランなのか。栗……圧倒的栗の食感と風味が広がっているのに、決して重すぎない不思議なクリームの虜になってしまいました。

 この繊細なクリームの秘密を伺ってみると、「クリームに含ませている空気の量」が関係していると竿代さん。そもそも栗は食感が重たくなりやすく、多くの量を食べるのには不向きな食材なのですが、モンブランスタイルではクリームにかき氷のように“細かい空気”を含ませているので、大量の栗を使用したモンブランクリームを軽やかな食感で食べることができるのだそうです。

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 この空気の量の重要性について竿代さんは「温度が低すぎず、空気をたくさん含んだソフトクリームは量が食べられるのに、温度が低くて空気を含んだ量が少ないアイスクリームは大量に食べられないように、食感と温度帯は非常に大切です」と語り、「一日に何度も同じクリームを作り続ける」など、通常のケーキ屋さんでは考えられないような手間をかけているそうです。

 続いては外側のモンブランクリーム、内側にある渋皮のモンブランクリーム、生クリームメレンゲまでを一気にすくって、口に運んでみるとメレンゲがサクッと小気味よい音を立てます。今度はしっかりとしたミルキーな風味の生クリームと重厚なうま味を含んだ渋皮のクリームが混ざり合い、とんでもないビッグバンを起こしています。おいしいとか、すごいとかそんな言葉では語り尽くせないほどの栗がそこに広がっていく感覚……これは間違いなく栗好きによる栗好きのためのモンブラン

中に入っている渋皮のクリームがポイント

 あまりの驚きに「これってモンブランの概念を超えた何かですよね」と尋ねてみると、「いえ、これはモンブランです」と竿代さん。実は竿代さんはもともと甘すぎるモンブランや、洋酒でしっかりと香り付けがされたモンブランが苦手だったといい、「自分が食べられるモンブラン、栗好きが本当においしいと言ってくれるモンブラン」を追求してきたとのこと。その結果、茨城県笠間市にある自社農園と契約農家の鮮度が良く、香りの良い、無燻蒸栗(収穫後の殺虫処理をしていない栗)を使用することや、原料を新鮮なうちに加工した上で急速冷凍をすることにより、一年中おいしい栗菓子を提供することができるようになったのだそうです。

使用しているのは茨城県笠間市の無燻蒸栗
鮮度が命だという

 さらに、セットで提供される飲み物は「茎ほうじ茶」「手摘み上煎茶」「茎ほうじ茶ラテ」「純米酒 稲里『山』」のみと、ケーキとよくセットにされる紅茶やコーヒーは提供していません。この理由について竿代さんは「コーヒーは口の中全てをコーヒーにしてしまい、せっかくの栗の風味が打ち消されてしまうため、提供していません」と説明。お茶は日本で数人しかいない「茶聖」の称号を持つ手揉み茶日本一の小室栄寿さんが栽培から製茶までを自ら行ったこだわりの茶葉だけを使用していると語ります。

お茶も「モンブランに合うかどうか」にこだわっていておいしい

 続いては「モンブランパフェ」をいただいてみます。

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モンブランパフェができるまで

 1日に3回は仕込むという自家製栗のアイスは、和栗ペーストを50%配合したもので、ジェラートのような滑らかな触感が特徴。一番下に入る季節のアクセント(取材当日は桃のシャーベット)と、ミニモンブラン、大きな渋皮煮の栗が華を添えます。

モンブランパフェの底には季節のアクセントが入る
モンブランアイス

 こちらはモンブラン デセルに比べて味の変化が楽しめるのがポイントで、食べ進めていくごとに周囲の食材が栗本来のおいしさを引き立ててくれます。

 栗づくしのデザートを取材させていただいている間に、外には開店の12時を待たずして長い行列ができていました。カウンターに8席と回転率は高くないように見える店内について竿代さんは、「谷中の『和栗や』でも同じようにできたてを提供してきましたが、どうすればより“できたてのモンブラン”を感じていただけるのか試行錯誤した結果、おすしやさんを参考にさせていただきました」と語り、1つ1つのモンブランに特別感を与えられるこのスタイルを貫いていきたいと語りました。

カウンターで食べることによって生まれる特別感

 秋からは毎朝炊く新栗の甘露煮を加えた栗づくしのパフェがスタート。究極の栗パフェを求める人が長い列を作りそうです。

Mont Blanc STYLE/モンブランスタイル

東京都渋谷区富ヶ谷1-3-3

小田急線・代々木八幡駅より徒歩2分

千代田線・代々木公園駅より徒歩2分

席の予約は受け付けていません。

また2018年9月現在、午前11時から整理券を配布しています。

詳しくは、公式サイトをご確認ください。

(Kikka)

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