ネットを騒然とさせた缶入りのガチな“飲むカレー”、なぜ生まれたのか販売元に聞いてみた(1/2 ページ)
開発で大変だったことも聞きました。
通販サイト、フェリシモが先ごろ、“飲むカレー”の販売を開始しました(関連記事)。缶入りで飲料のように飲むカレーに、ネットは「気になる」「試してみたい」と騒然。“禁断の飲み物”「フェリシモ 神戸発 飲むカレー CARRY CURRY」はどのようにして生まれたのか、フェリシモに聞いてみました。
「カレーをかっこよく飲む」ために開発
きっかけはフェリシモの社内でデザイナーの太刀川英輔さんを交えて「新しい食のコンセプト」を議論していたときに、太刀川さんが外出時にレトルトカレーを飲んでいると話したこと。忙しく、食事を満足に取る時間がないこともよくある太刀川さんは、ある時、移動中にレトルトカレーを開封してそのまま飲んでみたところ、意外とおいしくて小腹が満たされることを発見。その後クセになり、飲み続けてきたそうです。
その際に「でもこれ人前ではできないんだよなあ(笑)」と太刀川さんがこぼしたことから、同社の「いかにカレーをかっこよく持ち歩き、飲めるようにするか?」を追求する取り組みが始まりました。
まずは「レトルトパックからかっこよく飲むスタイル」を目指し、飲み口(スパウト)のあるパウチを探すことに。しかし高温高圧をかけて調理するので、飲み口を熱に耐えられる特別な樹脂素材にしなければならず、また試作品はスクリューキャップを開けるのにかなりの力が必要となったため断念。次にガラスびんを検討したものの、重い点や割れる点が問題となり、持ち歩けないと断念しました。
こうして缶に行き着いたものの、カレーの色と匂いが強すぎて、充填(てん)できる工場を見つけるのに苦労することに。「飲みもの以外のものを飲めるように缶に加工する」という試みを面白く思った大和製罐総合研究所が協力を申し出て、「飲むカレー」が誕生しました。発案から実現まで、1年以上かかったといいます。
本格的事業化は厳しいという判断になったものの、ユニークなアイデアであり終わらせるのは惜しいとして、少量生産でスタートすることに。まずは株主にお披露目し、株主からの購入希望への対応や、限定数で一般向けの販売も開始しました。
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