「感情」を知らないクローンの少女が愛情を見つけ出す物語 「レナの幸せな時間」に「涙があふれた」の声(1/3 ページ)
生まれた目的が生きる目的になる感動的なお話。
「博士に安らぎをもたらすこと」――ただ一つの目的のために生まれたクローン人間の少女が、足りない“感情”を求める漫画「レナの幸せな時間」が感動的と話題です。苦しみながらも博士への献身を貫き通す少女の姿に心打たれます。
病気の博士に安らぎを与えるために、ピアノを弾く役目を持って生まれ、閉じ込められて育ったレナ。成長が早い分、ピアノを弾くと鼻血を出してしまうほど体が弱いのですが、それでもピアノを引き続けます。それがレナの生まれた意味だから。
レナが3歳のとき、「感情」がないから音に深みがないと博士に怒られてしまいます。「感情」が何か分からないレナは答えを求めて、今まで出たことのない街へと飛び出し、容姿だけでなくピアノの弾き方もそっくりなレイナという女性に出会います。レイナに促されて演奏を披露したレナは、初めて博士以外の人に喜んでもらえて、感情が少し分かったような気持ちになりました。
その出来事を博士に報告すると、レナはレイナが60歳の時のDNAで作られたクローンだという事実を知らされます。見た目は少女でも、細胞年齢は60歳。急な成長も相まってレナの命は1年もつかどうか分かりません。再び閉じ込められたレナでしたが、つかみかけた「感情」を手に入れるため、街へと逃げ出したのでした。
レイナのもとに身を寄せたレナは、楽しいという感情とともに、迫り来る死への恐怖などつらい感情も覚えます。自分の存在する意味を見失い、ピアノを弾くこともできないと思うほどに。しかし、レナに去られて彼女の大切さに気付いた博士に呼び戻され、自分が死ぬまで一緒にいてほしいと告げられます。博士を救いたいと思うレナですが、彼女がクローンであることが知られ、博士は警察に連行されそうになり心臓発作で倒れてしまいます。
意識が戻らない博士のために、覚えた「感情」をピアノに込めて、病室でピアノを弾き続けるレナ。血を流しながら一週間弾き続けると、博士の目からあふれるほどの涙が。博士が喜んでくれていることがうれしくて、博士が息を引き取るまでピアノを引き続けたのでした。
博士が安らぎを得るためというエゴのために作られたレナ。博士の感情がエゴから愛情へ変わり、レナも博士によって愛情を知ることとなり、ようやく本当の安らぎを得ることになったのでした。この作品には「尊い」「感動」「久し振りに号泣した」などの反響が多く寄せられています。
作者の三簾真也(@igoshowgi)さんは現在週刊少年サンデーで『水女神は今日も恋をするか?』を連載中。Twitterでは「レナの幸せな時間」の他にも漫画やイラストを投稿しています。
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