コラム

嵐「活動休止」で再確認した“聡明さ” 1月27日の嵐がスゴかった3つのポイント(1/2 ページ)

寂しい、でもすごい。

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 1月27日、国民的アイドルグループ「嵐」が、2020年12月31日をもってグループとして無期限の活動休止をすると発表した。多くの楽曲やテレビ番組での活躍で視聴者を楽しませてくれた嵐という存在が日本の芸能界からいなくなるのは、とても心細く、寂しい。特に、嵐を誰よりも熱心に応援していた「嵐ファン」(アラシック/あらしっくとも呼ばれる)たちが感じる喪失感は言葉では言い表せないものだろう。

 しかし昨日、活動休止を発表してから数時間の嵐5人の行動とふるまいは、ひとつのほころびもない、すばらしいものだった。あの日の嵐の何がスゴかったのか。ひとりのアイドルファンとして、3つのポイントに分けて振り返ってみたい。

まずはファンへ「自分たちの言葉」で伝えたこと

 嵐が活動休止することを明らかにしたのは、有料ファンクラブ会員限定ページ内で発表された動画が最初だった。まずは自分たちを一番応援してくれているファンに、他を介さない自らの言葉で直接伝えたことが、今回の発表における嵐の真摯な姿勢を表しているように思う。

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 ジャニーズに限らず、アイドルグループの活動に関しては、週刊誌やスポーツ新聞で活動休止の疑惑がすっぱ抜かれたり、SNSでリークされたりして、ファンのあいだに不安が広まるうちに事務所からコメントが出る――という流れになることがある。

 嵐の休止についても、そうなる可能性はいくらでもあっただろうが、そうはならなかった。もしかするとどこかではうわさされていたのかもしれないが、通常ジャニーズアイドルの情報を広く収集している筆者のような一般ファンのもとには、うわさレベルでも今回の話はまったく入ってきていなかった。嵐を熱心に追いかけているファンにとっても、晴天の霹靂(へきれき)だったように思える。万が一にも情報が漏れることがないよう、非常にシビアにコントロールしたのだろう。

 会見の最後に松本潤さんは「自分たちが直接伝えさせていただいたことがファンの皆さまにきちんと届けばいい」と語った。「まずはファンに」という順番を重視し、自分たちの口から直接伝える形式にあくまでこだわる姿勢が強く印象に残った。


2018年の博報堂調査では、リーチ力7位(615万人)、支出喚起力1位(328億円)と強い支持を受けている

公式サイトに掲載されている報告

同日中に会見を行ったこと

 一方的な動画や書面でのコメントだけでなく、記者との質疑応答の場をその日のうちに設けたことも本当にスマートだった。

 嵐の魅力のひとつは、コンサートのMCや番組の中で、いつも楽しそうに交わされる会話だ。そんな嵐の5人を好きなファンからすれば、「今回の活動休止で嵐の関係性が壊れてしまったのではないか」ということは、大きな不安だったはずだ。

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 しかし会見での嵐は、ある程度の緊張感はありつつ、時折涙ぐむような場面はあったが、笑顔や冗談をまじえた“いつもの嵐”を見せてくれた。伝えるべきことをしっかりと伝えた上でだ。

 「自分たちの嵐に対する気持ちは変わっていない」「むしろ絆は強まっていった」ということを、メンバーは口々に言っていた。その思いを、言葉だけでなくメンバー同士のやりとりを通して伝えていた。そのことに心底安心したファンは多いだろう。

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