嵐「活動休止」で再確認した“聡明さ” 1月27日の嵐がスゴかった3つのポイント(2/2 ページ)
寂しい、でもすごい。
経緯を教えてくれたこと
会見では、リーダーの大野智さんがメンバー4人を集め、「活動を休止したい」と申し出たことが活動休止のきっかけとなったという経緯も詳細に語られた。この部分を明らかにするという決断に踏み切るには大きな覚悟が必要だったに違いないが、まさに英断であったと思う。
事態の経緯が隠されたままでは、「いつからそんな話になっていたんだろう?」「誰からそんなことを言い出したんだろう?」とファンが疑心暗鬼になっていたかもしれない。「何度もメンバー同士で相談しあって辿り着いた結論である」「メンバー全員が今は納得している」と見せられれば、そんな邪推をするファンはいないはずだし、これ以上のことを詮索するのは野暮(やぼ)だとわかる。
「無責任という指摘もあるのではないか。大野さんが悪者にされる可能性もあるのではないか」というある記者の質問に対してSNSなどでは非難の声が相次いだが、その回答として引き出された「もしリーダーが悪者に見えるのであれば、我々の力不足」という二宮和也さんの発言は、この会見中屈指の名言だったと思う。
嵐というグループの“聡明さ”
解散や活動休止、メンバーの脱退などに至った他のアイドルグループが、ファンに対して不義理だったということではもちろん無い。きっとみな本当は、今回の嵐のように、誠意をもってその日を迎えたかったはずだ。しかしここまでやるのは本当に難しいことなのだ。
あくまで推測に過ぎないが、きっと嵐のメンバーと周囲のスタッフは、どうすればファンの落胆と失望を最小にすることができるか、綿密に計画を立て、今回の発表に踏み切ったのではないだろうか。
自分たちのことをこれまで応援してくれていた全ての人たちに対して、最も感謝が伝わる方法を選び行動することができる、嵐というグループの聡明さに、一アイドルファンとして心から敬意を表する。だからこそ嵐は、ここまで国民的な人気を博すことができたのだ。
嵐の「TIME」というアルバムに、「風」という曲がある。
「何もかも捨てて 今をもう一度 時間を止めて
描いた理想 願いは助走だって信じたら 羽ばたけるよ」
人生の中で迷ったとき、立ち止まったとき、嵐の5人が伸びやかな声で歌うこのフレーズに、何度助けられてきたことだろう。今度はファンの私から、この20年間楽しいときもつらいときも人生を彩ってくれた嵐に、この曲を贈りたい。
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