「ただしイケメンに限る」を使ったことのある人に聞きたい、“イケメンとは何か”を真剣に考えたことはあるか?(1/2 ページ)
「仁義なき戦い」を見るべし。
これまでにも何度か書いてきた通り、おれはさしてモテる人間というわけではない。だが、さしてモテないなりに、意地でも絶対に口にしたりネットに書き込んだりしなかった文言がある。それが、ネットでよく見る「ただしイケメンに限る」というアレだ。
「ただイケ」とはいうけれど、イケメンについて考えたことはありますか?
「ただしイケメンに限る」という言い回し、インターネットでよく見るのは、モテ指南みたいなものにくっついている形である。例えば「料理をする男性は女性からの好感度が高い」というような話に「※ただしイケメンに限る」という形でくっついてくるわけだ。多少モテそうな行動をとろうがモテ指南に従おうが、それでモテるのはイケメンに限った話でしょ……というニュアンスの文言である。
確かにまあ、本当にモテない人というのは世の中にいるだろう。周囲から言われたことやこれまでの行動から、「自分はモテない」という自覚を内在化させてしまったパターンもあるとは思う。モテるためにいろいろ行動することに怖気付いたり「キャラじゃないし」と内面化していたりする人が、先回りして「でもどうせイケメンじゃないと最初から話にならないんでしょ」と開き直るのは、十分ありうる話だろう。そういう人が「はいはいそんなのイケメンだけの話でしょ」と開き直ってしまう心理はわからんでもない。
しかし、実際のところこの「ただしイケメンに限る」という言い回しには「モテたい」という以外の、ひがみっぽい感じのニュアンスも漂っているように思う。要するに、「めちゃくちゃモテたいというわけではないけど、概念としてのイケメンになんとなくひがみ意識を持っている」という人もいるのではないかという話である。
この、ふんわりとした概念としてのイケメンというのが、けっこうクセモノなのではないかとおれは思っている。「モテるのはイケメンだけ」って言ってるのに、具体的なイケメン像がぼやけているのでは話にならないと思うのだ。
もちろん顔がかっこいい人間はいろいろな局面で有利なこともあるだろう。しかし女性は言うほど付き合う男性に容姿の良さを求めていないという調査結果は、ちょっと検索すればけっこうたくさん出てくる。しっかりした付き合いを考えた場合、男の側の見た目というのはものすごく重要かと言われるとそうでもないようだ。
見た目のいい人としか付き合いたくないという女性はそりゃ実存しているが、そこはもう「人による」としか言いようがないので「女はイケメンが好きなんでしょ」と巨大な主語で話をするのは無理がある。最終的に1対1の人間の話である以上、ことルックスに限ったことなら案外なんとかなると思うのだ。
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