レビュー

滝藤賢一の弱った姿にキュンとくる「東京独身男子」5話 “あえて結婚しない女子”の登場にグラグラする男たち(1/2 ページ)

「結婚とは何か?」の基本に立ち返る。

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 5月18日(土)放送のドラマ「東京独身男子」(テレビ朝日系)第5話。結婚したいかしたくないか、男と女の形勢逆転。結婚したいと考えはじめた三好(斎藤工)と岩倉(滝藤賢一)に、ふたりが狙っている女・透子(桜井ユキ)が「結婚、興味ないな」と言い放った。透子は「あえて結婚しない女子」、AK女子だった。

結婚するということは自分の人生を自分の一存だけでは決められなくなること イラスト/たけだあや

「東京独身男子」第5話あらすじ「いざとなると弱いもんだな……」

 糸井(早乙女太一)と結婚してアメリカに行ったはずの舞衣(高橋メアリージュン)が、元彼・太郎(高橋一生)の家を突然訪ねてきた。太郎は一途に自分を思ってくれるかずな(仲里依紗)と結ばれることを決意しかけていたが、舞衣の登場でまた気持ちが揺らぎだした。

 一方、岩倉は仕事中にヘルパーから「父親が呼吸困難」という電話を受け、たまたま一緒にいた透子と慌てて自宅に戻る。父・和雄(小野武彦)は食べ物をのどに詰まらせただけで大事には至らなかった。

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 岩倉「何が起きても覚悟はしてる。そう思ってたけど、いざとなると弱いもんだな……」

 そう言ってキッチンの陰でひざを抱え、透子の背中に頭を寄せる岩倉。いつも余裕で頼りがいがある大人の男性の弱った姿。何も言わず、その背中に岩倉の体温を感じている様子の透子。ここに三好の入る余地はないのでは、と感じるほど、ふたりの信頼関係が見えたシーンだった。

 岩倉は透子にお礼をするために、マンションのゲストルームでの食事会をセッティングした。三好がやってきて、自分たちも参加すると言い出した。岩倉と透子、和雄に加え、太郎と太郎の家に泊まっていた舞衣、かずな、そして三好。主要メンバー全員参加でのディナーが始まった。

5話のキュンときた滝藤賢一。いつも余裕で頼りがいがある大人の男性の弱った姿っていいな イラスト/たけだあや

結婚は、自分の人生を相手と共有すること

 結婚とは、具体的にどういうことなのか。そんな基本的なことを、改めておさらいする5話だった。

 メガバンカーの太郎に、外資系コンサルティング会社からヘッドハンティングの話があった。舞衣は、それは太郎が仕事に真面目に取り組んできた成果だと応援してくれる。かずなは、年収の増減があったり終身雇用の可能性がなくなったりするところに無理に行くことはないと言う。

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 舞衣とかずなの別々の意見を聞いて、結婚するということは自分の人生を自分の一存だけでは決められなくなることだ、と太郎は気づく。会社で同僚が愛妻弁当を持ってきているのを見て、結婚すると食べたいものを食べられないのだと考える。

 かずなが太郎の家で料理を作ったあと、その料理を食べる前に太郎はキッチンの片づけをしていた。太郎には「これはここ」という物の位置へのこだわりがあり、たくさんの種類がある塩の配置も隙間の間隔も決まっているようだった。

 きちょうめんで片付け上手な良い男にも見える。だが、自分がかずなの立場だとして「作った料理を食べる前に、自分が使ったものの位置を過剰なほどきっちりと直される」のを見たら、「怒ってるのかな」と感じるかもしれない。それくらい、太郎は自分のこだわりが崩れることに抵抗を感じている

 かずな「太郎ちゃんが本当に好きなのは、舞衣さんでもない、私でもない。自分、自分自身。だから、ひとりが良い、誰かといると息が詰まる。だったら、もうやめる」

 かずなは太郎をよく見ている。だから、太郎が自分と一緒にいることに抵抗を感じているのにも気付いていた。「あえて結婚しない男子」と言われていた太郎だったが、本当は「結婚できない男子」なのかもしれない

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