ITリテラシー低めの女子大生、はじめてのプログラミングを学ぶ
知識ゼロの女子大生がゆる~くプログラミングを学びます。
「彩歌さん、プログラミングを学んでみませんか?」
現在大学1年、ザ・文系女子の私に、ひょんなお話が舞い込んだ。それは、「女子大生がプログラミングを学ぶ」という内容。
2018年、当時、高校2年生だった私は、今まで触れたこともなかったパソコンを、とあるきっかけから使うようになる。そしてすくすくと成長していき、しまいには志望が教育学部から経営学部に変わってしまった!という経験をしている女だ。
おかげでだいぶパソコンは使いこなせるようになってきたが……えっーと、そもそもプログラミングってなんだっけ? なんかめんどくさそうだぞ。
「プログラミングは頭のいい理系の人がやることで、文系な私には関係ない」
それが正直な感想。でも1年前もパソコンなんて興味なかったけど結果的に自分にとっていい成長ができた。なら、今回もプログラミングが私を成長させてくれるかもしれないじゃないか。そんな思いで引き受けることにした。
今回、私にプログラミングを教えてくれるのはフリーのエンジニアとして活躍する舘さん。「舘ひろしみたいなおおらかな人だといいな~」というふわっとした期待を抱えつつ、まずは超初心者な質問をぶつけてきました。
中山彩歌
IT企業で働く父を持つ大学1年生。ねとらぼ連載「女子高生、『はじめてのパソコン』を買う」でITリテラシーがあんまり高くないことが判明し、おとぼけ回答を連発。その実績(?)を買われて今回の生徒役に抜擢された。もちろんプログラミングの知識はゼロ。
舘勇紀
大手電機メーカーでキャリアを培い、現在はフリーランスのエンジニアとして活躍。Webアプリの開発などを行うほか、プログラミングのオンラインレッスン「CodeCamp」の講師も務める。二児の父で初心者にもていねいに伝えるレッスンに定評がある。
プログラミングって見たことないし、世話にもなってないけど?
プログラミングってどんなものか分かりますか?
全然……映画の「マトリックス」に出てくるわけのわかんない緑の文字みたいなのが羅列されてる感じ?
そういうイメージなんだ(笑)。簡単に言えば、プログラマーがパソコンに指示を出したり命令を出す作業なんですよ。
分かるような分からないような……。
何か「これプログラミングでしょ」ってもの見たことないですか? マトリックス以外で。
あー、であれば一切ないです。ていうか、普通の女子大生ってプログラミングに触れないですし見たこともないと思うんですけど?
何を言うか!(笑) 身近なもので、例えば家の中をぐるっと見回してみてもプログラミングが使われているものはたくさんありますよ。何か思いつかない?
うーん……とりあえず、機械類全般!
……うん。具体的に、ほら例えばスマホとかさ。
あ、そうか。じゃあテレビ!
うん、含まれていますよ。
(おっ当たった)よっし!
他には? 多分適当に言っても当たりますよ。
そうなんですか? うーん、洗濯機とか冷蔵庫とか?
そうそう、どちらにも含まれてます。というか、家の中にある電化製品は基本的に全部使われていますよ。洗濯機がすすぎや脱水を自動でやってくれたり、冷蔵庫が一定の温度を保ってくれるのはプログラミングのおかげなんです。
へ~~!(具体的にどうやってるのか理解できてないけど)
もしもこの世にプログラミングがなかったら
あとは車なんかにもプログラミングは使われています。
え、あのどでかい鉄の塊のどこにそんなものが?
エンジン制御のプログラムとか、ブレーキ制御のプログラムとか。中を開ければプログラムがしまわれている部品が出てくると思いますよ。
へ? プログラミングって部品なんですか?
いや、プログラム自体が目に見える物体って訳じゃなくて(笑)。あくまでも部品の中に電気信号でしまわれてるってことです。
えっと、それはつまり……データってことですか?
そうですそうです。実は既にプログラミングに触れていたこと、分かってもらえましたか?
おおー、分かりました!
逆にプログラミングが含まれていないものを探す方が一苦労ってことです。
もはや、プログラミング無しの生活はありえないと。もしこの世からプログラミングが無くなったらどうなっちゃうんですか?
スマホも車もエアコンも電車も何もかもが使えなくなります。
めちゃめちゃやばいじゃないですか!
そうなんです! 我々の生活を支えてくれているめちゃくちゃ重要なものなのに、これを知ってる人は意外と少ないという、ちょっと悲しい現実……。
ほほーーう、なるほど。でもプログラミングって何書いてあるのかよく分かんないしな……。そもそも文系でもいけるんですか?
いけますよ全然! パズルを解くのが好きだったり細かい作業を積み重ねてモノを作るのが好きな人は特に向いてます。
あ、パズルは結構好きかも。
まず「こんなプログラムを組みたい」という大きな目標を決めて、どうやったらそれができるかを1つ1つ考えていくんです。あのね、プログラミングって結局、旅行の計画を立てるようなものなんですよ。僕の感覚で言えばね。
えー、それが一緒の感覚なんですか!? よくわからん……!
ゲイツやジョブズってプログラマーだったの!?
そうそう、1年前に彩歌さんがパソコンを使い始めたころの連載で、OSって言葉が出てきたけど覚えてますか? WindowsとMacもプログラムなんですよ。
へっ? それってプログラミングなんですか? てっきり種類の名前なのかと(確かに理解不能な言葉たちだったな)。
そうそう。実は彩歌さんはもうプログラマーのことも知ってるんですよ。ビル・ゲイツとかスティーブ・ジョブズとか……。
え! 待って下さい、あの人たちプログラマーなんですか!?
あの方々はプログラマーですよ! まあ当然、彩歌さんがあの方々を知ったときは、会社のすっごい偉い人だったから、直接プログラムを書いている人ではなかったんですが……。昔、WindowsとかMacができた当初は、プログラマーとして大活躍していたってことです。
へーーー! ジョブズさんたちがねぇ。初耳でしたわ。
ね、結構プログラミングって身近な存在でしょ? しかも大成功をおさめた人だっていると。どうです? プログラミングに興味湧いてきたでしょ?
んん? いや、そこはまだあんまりですねえ。
正直だなあ……。
今や、小学生もプログラミングを学ぶ時代
ていうか、舘さん! そもそもあたしのような女子大生がプログラミングを学ぶ必要ってあるんですか?
お~、痛いところついてきますねぇ。確かに今はまだ専門的な知識に思うかもしれないですけどね、2020年から小学校の授業でプログラミングが取りいれられるんですよ。だから負けてられませんよ?
まじか……もう負けたわ。英語とか算数みたいに「プログラミング」って授業ができるんですか?
授業になるというよりは、例えば、算数とか理科の教材でプログラムを使って、子どもたちにもっと分かりやすく説明するための教材って感じかな。
じゃあ小学生がばちばちプログラミングを書くってわけではないんですね。ほっ、よかった。
どちらかといえば、先生が子どもたちの理解を深めるために使うもの。むしろ、先生たちの方が大変ってことです。今後の教育現場はバタつくでしょうねー。
そうかー、エンジニアじゃない人もプログラミングの知識がいるようになるんですね。
そう、だから必要性うんぬんはあるかもしれませんが、これからの世の中は、今の時代よりもさらにIT化が進むわけだから、知っていて損はないです絶対に。
むむむ……あたしもやらなきゃいけないのかな。
「デスマーチ」ってプログラミング用語ですか?
じゃあじゃあ、プログラミングを学んだらどんなメリットがあるんですかね?
メリットはね、自分でやっていた細かい作業をプログラミングに全部任せられることかな。
というと?
例えば、「何かを計算したいな」と思ったとして。いちいち電卓を叩いて自力で計算するよりも、事前にコンピュータにプログラムを書いておいて計算をお願いすると、知らない間にもう終わっている、とかですかね。
おっ、それはすごいっすね。なら、数学の課題押しつけようかな。やれ!って。
いや、それはどうかな(笑)。プログラミングってパソコンに命令を書き込むわけなんで、その課題のパターンとかを書き込むなら、実際に解いたほうが早いこともあります。
(チっ、ダメか……)パソコンも万能じゃないですね。
でも一度作れば何回でも自由に使えるので超便利ですよ。その分、空いた時間でまた違うことができるでしょ?
なるほどー。計算以外はできないんですか?
そんなことはないです。こないだ、小惑星リュウグウに、はやぶさ2が行ってましたよね。宇宙に行くような複雑な物理計算も全部プログラミングに頼っているってことです。どこに、何時何分頃に到着するのかとかも、全部コンピューターが正確に計算してくれます。人間がいちいち電卓を叩いて計算していたら絶対実現できないことです。だからプログラミングはすごいんですよ。
ちょっと待ってください、すごすぎてあたしには絶対できなそうなんですけど!
まあ確かに大規模なプログラムを作る場合なんかは、それこそエンジニアが血と涙を流しながら、時には血反吐を吐きながら頑張って作ってたりもしますね。
ええー、エンジニアの世界ってそんなにブラックな環境なんですか? なんか学ぶの怖くなってきたな……。
しまった、ちょっと脅かしすぎちゃった(笑)。いや、日本人は真面目に働く方だから、ひどい現場になると本当に倒れるエンジニアもいるんですけど。そういうことをデスマーチって言います。死の行進。
デスマーチ……聞いたことある! それもプログラミング用語なんですね!
それは違います!(笑)
今回の「女子大生から一言!」
どうも、ザ・文系の現役女子大生です。理数系は大の苦手だったので、高校時代はとにかくありとあらゆる数字や公式から逃げ惑う日々でした(今もですが)。
正直、プログラミングは理系が志望する職業だと決めつけているくらいで、「あたしゃ関係ないよ!」って思いは今もないわけではないのですが、これから先、ゆる~~くプログラミングを学ぶことに。まあせっかくの機会ですし、エンジニアさんと直接会って話す機会もめったにないことなので、今回は上手く波に乗れたらなぁという勝手な願望はあります(笑)。
初めてエンジニア(舘さん)に会っての第一印象は「あ、エンジニアといえど、意外と柔らかそう」でした。いや、どうしても理系のイメージを取り払えないので、「眼鏡をかけ、キリっとした目の頭が良さそうな、そしてなおかつ、話しにくいオーラを放つ硬い男性」のイメージがありまして。結果的に言うと、話しやすく、本当に舘ひろしみたいにおおらかな方だったので、ホッと一安心。とはいえまだまだプログラミングに対しては「?」がいっぱい。舘さん、相手(私)はしぶといですが、引き続きよろしくお願いいたします!!
次回予告
プログラミングの常識を1ミクロンも知らない女子大生が次につまづくのが、「プログラミングの言語の種類の多さ」。何ができて、どう違うのかを、おバカな質問を通して学んでいきます!
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