ZOZO、ヤフーが買収・子会社化 ファッションECを強化 前澤氏は社長退任し「新たな道」
買収総額は4000億円に上ります。
ヤフーは9月12日、ZOZOと資本・業務提携を結ぶと発表しました。ヤフーは4000億円を投じ、株式公開買い付け(TOB)でZOZO株式の50.1%を取得、連結子会社化する見通しです。ヤフーは「ZOZOTOWN」を運営するZOZOを傘下に収め、ファッション分野のネット通販を強化します。
ZOZOはTOBに賛同しており、創業者の前澤友作氏は社長を退任、保有するZOZO株式も大半を売却します。ZOZOによると退任は「本人の意向」とのことで、前澤氏はTwitterで「このタイミングで僕は代表取締役を辞任し、新社長に今後のZOZOを託し、僕自身は新たな道へ進みます」とコメントしています。
TOBではZOZO株式を1株当たり2620円で買い付け、ZOZO発行済み株式総数の50.1%を取得する予定です。買い付け総額は約4000億円に上ります。ZOZO創業者の前澤氏はZOZO株の36.76%を保有していますが、そのうち30.76%分について、TOBに応募する形で売却するとのことです。
ヤフーによると、ヤフーが今秋から始めるネットショッピングモール「PayPayモール」を巡り、ZOZOと業務提携の可能性について議論を進める中で、6月下旬、ZOZOの企業価値向上を前提として、前澤氏が保有株式のヤフーへの売却も検討できるという認識を示したとのことです。これを受け、連結子会社化を含めた資本業務提携について両社で協議を進めていたとしています。
検討の結果、ヤフー、ZOZOとも提携で相乗効果が見込めるとして、8月中旬にヤフーが連結子会社化を含む提携を提案。ZOZOは、「両社が一体的に提携によるシナジーの創出に取り組んでいくことが最適」として連結子会社化を受け入れたとしています。
具体的な相乗効果として、両社のユーザーベースを活用することによる集客や、ヤフーが展開を計画している「PayPayモール」の出店数拡大、ZOZOに「PayPay」を導入することによるユーザーメリットの拡大──などが期待できるとしています。
前澤氏は12日に開かれた取締役会後に代表取締役、取締役とも辞任。新たに澤田宏太郎氏が代表取締役社長兼CEOに就任しています。ZOZOの2019年3月期売上高は1184億円、純利益は159億円。
ヤフーによる買い付け価格はZOZO(東証1部)の11日終値2166円を大きく上回っています。12日9時20分時点でZOZOには買い注文が殺到し、取引が成立していません。
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