約1700円で穴場アリの京都ぷち観光 2019秋・関西改名駅を巡る散歩旅(後編)(3/3 ページ)
今回は2019年10月に駅名変更した京都府内の駅を順に巡りました。
1番線がない「石清水八幡宮駅」から石清水八幡宮を訪れる
龍谷大前深草駅から淀屋橋行き京阪準急で、京都府八幡市にある3つ目の名称変更駅「石清水八幡宮駅」に着きました。
今回の新駅名のほとんどはプラス地名、プラス大学名のパターンで、これまでの駅名を使っても通じるであろう変更ですが、この石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)駅はかなり大きく変わったケースです(関連記事)。以前は八幡市(やわたし)駅でした。八幡の漢字は同じですが、読みが違います。都市名ではなく拠点名になったことも大きく違います。
石清水八幡宮駅にはもう1つ面白いことがあります。2番線と3番線がありますが、1番線がないのです。なぜだか分かりますか?
石清水八幡宮駅は、10年ほど前まで電車の追い越しができる2面4線の待避駅で、1番線から4番線までありました。その後待避駅ではなくなったことから、端の1番線と4番線が撤去され2面2線型となったのです。踏切からホームを見ると、かつて待避駅であったことがよく分かります。
石清水八幡宮駅は石清水八幡宮参道ケーブルの接続駅でもあります。石清水八幡宮駅から石清水八幡宮参道ケーブルの「ケーブル八幡宮口駅」はすぐそこです。
なお、ケーブル八幡宮口駅も旧八幡市駅からの変更です。しかし京阪本線とは同じ駅名にはせず、明確に「石清水八幡宮へ行く」ために石清水八幡宮参道ケーブルに乗る人が分かりやすい駅名にしました。駅舎も駅名変更に伴って一新し、モダンな雰囲気となりました。
駅名変更と同じタイミングで、ケーブルカーの名称も「男山ケーブル」から「石清水八幡宮参道ケーブル」に、略称として「参道ケーブルカー」に変更となりました。車両は2019年6月19日に「陽(赤)遣い」と「月(黄)の遣い」をコンセプトにリニューアルしています。
私が乗車した車両は「月(黄)の遣い」をコンセプトにした「こがね」でした。外装は月の光をイメージしています。
ケーブルカーの車内も外装と同じく赤色と黄色が使われます。座席の生地にはオリジナルの霞(かすみ)文様が使われています。
ケーブル八幡宮口駅から約5分で「ケーブル八幡宮山上駅」に着きます。ケーブル八幡宮山上駅は「男山山上駅」からの変更です。こちらの駅舎も一新し、洗練された山小屋風の建物に生まれ変わりました。
ケーブル八幡宮山上駅から10分ほど歩くと国宝指定の「石清水八幡宮本殿」が見えてきます。石清水八幡宮は平安時代に創建され、日本三大八幡宮の一つです。
本殿を前にすると気分が自然と晴れやかになる気がします。石清水八幡宮を訪れて心を落ち着かせるのもいいかもしれません。
今回は大阪梅田→京都河原町→祇園四条→龍谷大前深草→石清水八幡宮→ケーブル八幡宮山上→淀屋橋というコースで所要時間は約4時間、運賃は1700円でした。京都の名称変更駅を巡るだけで、そこそこ楽しい穴場アリの京都観光が楽しめました。
新田浩之(にったひろし)
1987年神戸市生まれ。関西大学文学部卒、神戸大学大学院国際文化学研究科修了。主に鉄道と中欧、東欧、ロシアの旅行に関する記事を執筆。2018年からチェコ政府観光局公認の「チェコ親善アンバサダー2018」を務める。
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