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「ダイヤモンド・プリンセス」下船者に訊く~船内で起こっていたこと

感染者が出たことを知ったのはネットのニュースから。

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月24日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。「ダイヤモンド・プリンセス」乗船者を電話ゲストに招き、船内のリアルな様子を訊いた。


【新型肺炎】タクシーに乗り込む、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から下船したとみられる人=2020年2月19日午前、横浜市鶴見区 写真提供:産経新聞社

クルーズ船下船者、初の感染確認

新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で週末、検査で陰性だった乗客の下船活動が完了し、当初3711人乗っていた船内には、乗員を中心に1300人が残っている。また、検査で陰性となり19日に下船した60代の栃木県の日本人女性が、22日に陽性と確認された。下船し、帰宅した方の感染確認は国内では初めて。

飯田)こうなると、船内の隔離はどうだったのかという話にもなります。一方で厚生労働省は、下船した乗客のうち23人にウイルス検査をしなかったミスがあったと発表し、加藤厚労大臣が謝罪しています。船内の様子も報じられていますが、なかなか伝わって来ないということもあります。そこで、この時間は金曜日にクルーズ船から下船された男性の方と電話をつなぎ、なかの様子がどうだったのか、詳しいお話を伺いたいと思います。お名前は毛利さんとおっしゃいます。おはようございます。まず、クルーズ船で旅行されたのは初めてのご経験だったのでしょうか?

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毛利)幼少期より父に連れられていたので、かれこれ30年以上になります。「ダイヤモンド・プリンセス」だけでも10回以上乗っています。

飯田)今回のように、感染症が船のなかでうつって行くというのは初めてですか?

毛利)いえ、ノロウイルスやインフルエンザなどの感染拡大は過去にもありまして、似たようなケースには覚えがあります。ただ、14日間というのは聞いたこともなかったです。

飯田)乗客の香港の方が陽性で、既に下船された後で日本に入港するという流れだったと記憶しているのですけれども、船内でみなさんがお知りになったのはいつごろだったのでしょうか?


横浜・大黒ふ頭沖に停泊するクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」=2020年2月5日午前、横浜市鶴見区(川口良介撮影) 写真提供:産経新聞社

感染者が出たことを知ったのはネットのニュースから

毛利)船内で知ったのは、インターネットのニュース記事でした。2月2日に沖縄を出港した翌日のニュース記事で知りました。

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飯田)そのとき船内で、オフィシャルな放送があったわけではないのですか?

毛利)そうですね、最初に知ったのはオフィシャルな放送ではないです。2月3日の夕方くらいの船内放送で、感染者が出たから横浜に急いでいるという連絡が入りました。

飯田)そのときは急いでいるというだけで、2週間という話にはなっていなかったわけですよね?

毛利)はい。

飯田)当時は、着けば出ることができるという気持ちでしたか?

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【新型肺炎 クルーズ船】横浜・大黒ふ頭に着岸したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」。救急車などが岸に止まり、乗客らが不安そうに見つめていた=2020年2月6日午前、横浜市 写真提供:産経新聞社

2月5日まではイベントが開かれていた

毛利)2月5日の朝までは隔離されず自由に、いつも通りイベントも開かれていました。

飯田)船内でパーティーなども開かれていましたか?

毛利)パーティーというほど大規模ではありませんが、ダンスをやったり、シアターではショーをやるというようなイベントがありました。

飯田)それは各々、みなさんが選んで楽しむということですね。それが2週間の隔離ということになりました。なかに実際にいらっしゃって、船内隔離の対応はどうでしたか?

毛利)2月5日の7時ごろ、朝食のため部屋を出ようとした際に廊下のクルーに止められて、「来るときが来てしまったかな」という感じでした。その1時間後くらいに、船内放送で2週間の隔離を伝えられました。もうその時点で出ることができなくなってしまったので、他の乗客がどうだったかはわかりません。

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飯田)そこから先は、船員の方々が部屋を回ってお世話したり、頑張ってやっていたわけですよね?

毛利)そうですね。検温は体温計が1人1個ずつ配られて、毎日チェックしてくださいと言われました。「37度5分以上ある方や咳がある方は、速やかにこちらの電話番号に電話してください」という船内放送もかかっていました。


大黒ふ頭に停泊するクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」と出入りする救急車両=2020年2月16日午後、横浜市中区 写真提供:産経新聞社

「ないない尽くし」の状況が乗客にも見えた

須田)船外から見ていますと、「なぜ船内の人たちが感染にかかっているかどうか、一斉に検査しないのか?」という疑問を持っていたのですが、船内にいてその辺りはいかがでしたか?

毛利)全員を検査してくれるものだという認識がありました。しかしニュース記事を見ていると、当時ではどうやら試薬の物量が足りない、3000人を一気に見るだけのキャパシティがない、下船させて隔離するスペースもないという、「ないない尽くし」のところが見て取れたかなというのが率直な意見です。

須田)毛利さんご自身は、いつごろ検査を受けられましたか?

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毛利)僕は大分遅くて、16日ですね。

飯田)下船の直前くらいですね。

毛利)2月3日から始まった検疫は、香港の方と濃厚な接触者の方、そのとき体調が悪かった方などの273名を検疫したと伺っています。僕は検温と様子見くらいで終わってしまいました。


大黒ふ頭に停泊するクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から、外の様子をうかがう乗客ら=2020年2月16日午後、横浜市鶴見区 写真提供:産経新聞社

船内放送で行われていた指示は

飯田)検疫が始まって以降の感染があったかもしれないと言われています。時間を区切ってデッキに出ることができるタイミングがあり、お客さん同士で話すことがあったと聞いていますが、「こういうことをしてはいけません」「手すりは触ったら手を洗ってください」などの指導はあったのでしょうか?

毛利)船内放送で、オープンデッキという外に出ることができるデッキに、「特定の部屋の区画だけ行ってください。何時から何時まで行っていいです」という指示がありました。最初の方は言っていたか覚えていないのですけれども、そのときの注意としては「37度5分以上ある人や、咳をしている人は出ないでください」とか、最初のうちは「マスクは絶対にしてください。他人と話すときは1メートル以上開けてください」ということでした。これは後で2メートル以上に変更されました。また、帰って来たら手を石鹸で20秒以上、絶対に洗ってくださいということと、洗っていない手で眼や口を触らないでくださいということを言われました。

飯田)毛利さん、ありがとうございました。なかの様子というのは、なかにいた人にしかわかりません。

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