いきなりステーキのペッパーフード、「継続企業の前提注記」が付く 新型コロナ影響で売上高減少、資金繰りに懸念
株価低迷で資金調達も困難に。
ステーキ店「いきなり!ステーキ」などを展開する外食企業のペッパーフードサービス(東証1部)は3月25日、2019年12月期有価証券報告書に「継続企業の前提に関する事項」の注記(GC注記)を行うと発表しました。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、3月以降、「来店客が顕著に減少し、売上高が著しく減少」している状況。回復には一定の期間が必要な見通しとなり、営業債務や借入金の返済などの資金繰りに懸念が生じているとのことです。
「いきなり!ステーキ」の落ち込みで経営不振に陥った同社は、1月には新株予約権(行使価格修正条項付き)を発行して資金調達に目処を付けていました。ところが新型コロナウイルスの影響で株式市場が混乱し、同社の株価も大幅に下落。新株予約権の下限行使価格を下回って推移し、資金調達が期待できないとしています。
対策として、事業の収益改善や本社費用の削減といった施策を行い、財務の安定化を図るとしています。具体的には、(1)既存店の売り上げ対策を強化し、店舗の事情に応じたメニューの変更などを推進、(2)従業員の適正配置などのコスト削減施策を推進、(3)役員報酬を含む本社費用の削減を目指して検討、(4)取引先や金融機関などと支払い条件の柔軟化など協力体制を築く──を挙げています。
「いきなり!ステーキ」では3月26日から、直営店と一部フランチャイズのロードサイド店・レストランコート店・フードコート店で「おすすめ新プラスメニュー」の販売を開始。1000円以下の商品を充実させると発表しています。
ただ、現時点では影響の程度や期間について見通すことが難しいこともあり、「継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在する」としてGC注記を行うことにしたと説明しています。
ペッパーフードサービスは3月13日、2020年12月期について、連結売上高614億円(前期比9%減)などとしていた業績予想を、「算定が困難になっている」として取り下げています。
GC注記は、企業が将来も事業を継続するという前提(ゴーイングコンサーン)に問題が発生した際、関係者に注意を喚起するために有価証券報告書などに注記することが義務付けられているもので、大幅な赤字が続いて財務体質が悪化した場合などがこれに当たります(日本公認会計士協会のWebサイト)。
ペッパーフードサービスの株価は「いきなり!ステーキ」の不振が明らかになって以降、下落傾向にあります。2020年最初の取引日だった1月6日終値が1177円だったのに対し、3月19日終値は467円と約60%下落。25日終値は576円です。株式時価総額(25日終値ベース)は132.5億円。また2019年12月期の決算短信によると、現金及び現金同等物の期末残高は、前期末の67.3億円から24.7億円に減っています。
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