連日車中泊、家族からも偏見……コロナ禍の看護師たちの生活を描いた漫画が壮絶 「こんなことになってるなんて」(1/2 ページ)
フィクションながら、取材を元に描かれています。
『週刊スピリッツ』(小学館)で沖田×華さんが連載中の漫画『お別れホスピタル』で、“コロナ特別編”が掲載されました。世界的にさまざまな活動の自粛が広がる中、対照的に過酷な状況に追いやられていった医療従事者たちのリアルな数カ月が描かれます。ただただ頭が下がるばかり……。
『お別れホスピタル』は、架空の病院を舞台に、回復の見込めない患者が入る“終末期病棟”で働く看護師たちを描く漫画。陰では“ゴミ捨て場”と呼ばれるこの病棟で、毎日さまざまな患者たちの死をみとっていきます。
今回掲載された“コロナ特別編”では、認知症で寝たきり患者の中からCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)に感染している可能性が浮上。その対応に追われる中、主人公「辺見」の友人「さっちー」が勤める別の病院では、クラスターが発生していました。その結果、ナースの3分の1が自宅待機という状況に。
久々にさっちーと会った辺見。1人ぐらしにもかかわらず大量に買いだめをするさっちーに荷物運びを頼まれ付いていくと、向かった先はなぜか駐車場でした。何とこの駐車場は、クラスターとなった病院で新型コロナ患者と濃厚接触した医療従事者たちが、家族に感染させないため車中泊をするたまり場となっていたのです。大量の買いだめは、車中泊メンバーのためのお使いでした。
車中泊中のメンバーの中には、新型コロナが原因で離婚の危機に陥っているナースもいました。家では夫が子どもの面倒を見ているということですが、「お前は子育てをコロナで逃げられていいよな」などの言葉を浴びせられたというのです。さっちーは語ります。「病院サイドとフツーの人とのコロナに対する病識のズレっていうか――……コロナに関わってない人はどこかで大したことじゃないって思ってるんだよね……」。
この“コロナ特別編”はフィクションで特定の病院やスタッフを描いたものではないとのことですが、取材を元に構成したとのこと。今なお、医療従事者たちは、新型コロナという脅威と戦い続けています。
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