ニュース

1日限定「爆音コンビニ」オープン 聴覚障害者が抱える「マスクで口の動きを読み取れない」問題を仮想体験

マスクが広まったことで困っている人たちがいる。

advertisement
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 クラブ(踊る方)さながらに大音量で音楽を鳴り響かせるコンビニ「爆音コンビニ DEAF-MART」が、1日限定でオープンします。爆音の中での買い物を体験するこのイベント、いわゆる「リア充」向けかと思いきや、実は「声が聞こえない」環境に身を置くことによって、聴覚に障害のある人たちが抱える「マスク着用で口の動きから相手の言っていることがわかりにくい」問題を考えようというものです。な、なるほど~。


爆音で聴覚が奪われる

 「爆音コンビニ DEAF-MART」はPRイベントなどを行う会社「人間」と、NPO法人「Silent Voice」が共同で開催するイベント。12月4日に東京都板橋区の某所で、60分ずつ3回に分けて実施されます。お客さんは事前に特設サイトから応募した人の中から抽選で選ばれ、各回2人2組ずつ、計12人が体験できます。

聴覚障害者はこんな状況で買い物をしている

 「コロナ禍」によって、マスクの着用が一般的になったことで、聴覚に障害を抱える人たちは、それまで可能だった「口の動きや顔の表情によって相手の言いたいことを読み取る」ことが難しくなりました。「爆音コンビニ」では、爆音による音声コミュニケーションが困難な状態でお客さんが買い物することで、聴覚障害者が抱える問題を実際に体験し問題の解決策を考えようと発案されたもの。

advertisement

 抽選で選ばれたお客さんは、爆音の中で「いつも通りの買い物をする」というミッションをこなすことになります。しかし、レジで待つ店員は当然ながらマスクを着用しているため、口の動きが見えず聴覚も使えない状態になるというわけです。なお、爆音については専門家による指導のもと、人体への影響を配慮し調整するとのこと。

 主宰の「Silent Voice」は聞こえる人と聞こえない人が半数ずつ働く会社。「双方が尊重し合う文化を持たなければ仕事が進みません」と代表理事/CEOの尾中友哉さんはコメント。次のように続けます。「多くの会社では聞こえない、聞こえにくい人は圧倒的少数であり、その少数の人が困りごとを知ってもらったり対応してもらったりするために、大きなハードルがあることを知りました。本イベントでは少数派の困りごとに関心のない人にもいかに気付いてもらい、人が生きていくために欠かせないコミュニケーションの改善のきっかけにしていただけるかにチャレンジしました」。

 誰かの「ふつう」は、別の誰かにとって「ふつう」じゃないこともある。そんなことを考え直すきっかけになりそうです。

 「Silent Voice」では、聴覚障害者にとってマスク着用が大きな「壁」となっている状況を受け、導入コストが低く誰もが気軽に扱える解決策の1つとして、口元が見える「透明マスク」1万枚を配布するプロジェクトを立ち上げています。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 刺しゅう糸を20時間編んで、完成したのは…… ふんわり繊細な“芸術品”へ「ときめきやばい」「美しすぎる!」
  2. 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」【大谷翔平激動の2024年 現地では「プレー以外のふるまい」も話題に】
  3. 友達が描いた“すっぴんで麺啜ってる私の油絵"が1000万表示 普段とのギャップに「全力の悪意と全力の愛情を感じる」
  4. 後輩が入手した50円玉→よく見ると…… “衝撃価値”の不良品硬貨が1000万表示 「コインショップへ持っていけ!」
  5. 毛糸6色を使って、編んでいくと…… 初心者でも超簡単にできる“おしゃれアイテム”が「とっても可愛い」「どっぷりハマってしまいました」
  6. 「これは家宝級」 リサイクルショップで買った3000円家具→“まさかの企業”が作っていた「幻の品」で大仰天
  7. 「人のような寝方……」 “猫とは思えぬ姿”で和室に寝っ転がる姿が377万表示の人気 「見ろのヴィーナス」
  8. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  9. 余りがちなクリアファイルをリメイクしたら…… 暮らしや旅先で必ず役に立つアイテムに大変身「目からウロコ」「使いやすそう!」
  10. 山奥で数十年放置された“コケと泥だらけ”の水槽→丹念に掃除したら…… スッキリよみがえった姿に「いや〜凄い凄い」と210万再生