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税金滞納通知はめちゃくちゃポップな封筒で届く 税金を払わないと、差し押さえまでにどんなことが起きるの?

ある日、銀行でお金が下せなくなっていたら「差し押さえ」かもしれません。

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 ある日、お金を入れているはずの銀行口座が引き出せなくなっていた……住民税を払わず、差し押さえを受けた人から実際に聞いたエピソードです。

 差し押さえはいわば行政の「最終手段」。それが実行されるまでには、どのようなできごとがあるのでしょうか? 元国税局員の芸人・さんきゅう倉田が解説します。

さんきゅう倉田

大学卒業後、国税専門官試験を受けて東京国税局に入庁。法人税の調査などを行ったのち同退職、芸人となる。芸人活動の傍ら、執筆や講演で生計を立てる。好きな言葉は「増税」。公式サイトTwitter

ある日、預金が突然引き出せなくなる?

 人は窮地に立たされないと、行動しないものなのかもしれない。そう思うことがあります。子どもの頃、8月31日まで夏休みの宿題を放置している同級生がいたように、大人になってからも納税を後回しにし続ける人がたくさんいます。

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 税務署や地方自治体から再三に渡る督促があっても、それを無視し、滞納者となることを選び、差し押さえが実施されてはじめて、事の重大さに気付く。それがいかに大変なことなのか、それがいかに良くないことなのか、銀行から預金を引き出せなくなってか知るようでは遅いかもしれません。

 今回は、問答無用で財産を持っていかれてしまう「差し押さえ」について解説します。


身近だけど知らない「差し押さえ」について解説します

滞納すると、自宅にめちゃくちゃ派手な封筒が送られてくる

 税金には、国に納める国税と都道府県や市区町村に納める地方税があります。どちらも期限までに納めなければ、利息(延滞金)が発生します。年利は毎年変わりますが、ここ数年は9%ほどになっていて、ただでさえ税金を納められない人の大きな負担となっています。

 税金を滞納していると、自宅に督促状が届きます。それを無視していると、預金口座が差し押さえられたり、家にスーツの人たちがやってきたりするのです。

 なお、督促に気付かず、滞納になってしまったという人は聞いたことがありません。滞納する人は2種類です。払いたくても払えない人か、払うつもりのない人。みんな、自分の意志で払っていないのでしょう。

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 ちなみに、行政は督促状の送付に配慮しており、東京都文京区では派手なデザインの封筒が用いられています。他の手紙にまぎれても分かるように、黄色や蛍光色のストライプが使用されており、とても目立ちます。

 これだけ分かりやすい手紙を読まずに捨ててしまうのなら、もうできることはないのではないでしょうか。


めちゃくちゃポップなカラーの手紙が送られてきます

実際に差し押さえられた人が言うことは?

 芸人の中には、税金を滞納している人が大勢います。そのうちの1人は「ある日、突然、口座から金がおろせなくなって、記帳したら“サシオサエ”って印字されていたんだ」と言っていました。

 テレビで差し押さえの様子を見ることもあります。地方税の業務を担当する公務員が、滞納者の家に行って、現金や家電、バイクなどを持っていくところをみなさんも見たことがあるのではないでしょうか。滞納者の多くが「いきなり来るな。連絡くらいしろ」と言います。何度督促をしても、滞納者にとっては“突然”なんですね。

 また、作ったばかりの預金口座から差し押さえられたという人もいます。作ったばかりなのに、どうやって口座の存在を把握したのか不思議ですね。

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行政は、把握していない預金口座に直接アクセスできるほどのネットワークは持っていません。そのため、滞納者の名前を複数の銀行に1つ1つ照会したのだと思います。

 とはいえ、自治体や国は、強い権限を持っています。預金口座の有無を調べるなど、たやすいことなのです。どうせ手紙を送ってくるだけだろうとたかを括っていると、生活費まで持っていかれてしまう可能性があります。

払えない時は「相談」を

 こうした差し押さえを防ぐためには、まずは、期限までに必ず税金を納めること。それが難しければ、督促を無視せず、しかるべきところに連絡することが大切です。そしてこの連絡先は、手紙を開けば書いてあります。

 期限を過ぎて連絡をしても、怒られることはありません。場合によっては分割で納税ができる場合もあるので、どうしても一括で支払うのが難しい場合はまずは相談してみましょう。

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