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「吉野ヶ里遺跡で本物の青銅器が作れる」SNS投稿が話題に ロマンあふれる体験について担当者に話を聞いた(1/2 ページ)

冬季限定の特別な体験プログラムです。

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 「吉野ヶ里遺跡、1月・2月限定で本物の青銅器作れるから超オススメ」。こんな投稿が、Twitter上で話題となっています。実際に体験した左近大夫☆浜次郎(@sakone_shogen)さんの投稿には、「行ってみたい!」「作りたい」といった声が多く寄せられています。

教科書で見た青銅器が作れます(画像提供:左近大夫☆浜次郎さん)

 いにしえのロマンあふれる美しい剣や鏡、勾玉を作ることができるこのプログラムは、毎年冬に行われています。料金は5000円、事前予約制で、今年度分はすでに満員とのこと。青銅器の鋳込み体験、やってみたかった……!

磨くとピカピカに!(画像提供:左近大夫☆浜次郎さん)

 この件について、青銅の鋳込み体験プログラムを提供している国営吉野ヶ里歴史公園の担当者にお話を聞きました。

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――「吉野ヶ里遺跡で本物の青銅器を作れる」というTwitter投稿が話題になっているのはご存じですか?

担当者:はい、話題になっているらしいとは聞いています。

――申し込みが増えるなど、反響はありましたか?

担当者:そうですね。次回の申し込みはほぼ満員で埋まっています(編集部注:取材時の状況です)。年々増えてはいたのですが、ここまでになったのは過去にはあまり例がなかったと思います。

――勾玉・鏡、銅剣製作などは毎週土日祝の限定プログラムとして開催されていますが、青銅の鋳込み体験はそれらとどう違うのでしょうか?

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担当者:青銅の鋳込みはそもそも通常のプログラムとは素材が違います。こちらは銅とすずをまぜて1000度以上の炉で溶かす、本格的な鋳込みです。一方、土日の鋳込み体験は低い温度で溶ける合金を使っていますし、サイズも小さいミニチュアになります。大きさも質も全く違うので料金も違う、ということです。

――青銅の鋳込み体験は、2021年2月にも開催されます。毎年冬に開催するものと聞きましたが、ほかの時期には開催されないのでしょうか?

担当者:毎年冬に開催しており、その他の時期は開催しておりません。必ず冬にやらなければならないものではないですが、火をたくので夏だと暑いため冬に実施しているのではないかと思います。

――青銅器など作るにあたって、具体的にどんなことをするのでしょうか?

担当者:お客さまには溶けた金属(銅88%、すず10%、その他不純物等2%)を流し込む作業と、出来上がった銅剣等を磨く作業をしてもらっています。炉を使って金属を溶かすのですが、溶けるまでに時間がかかるので、業者の方にイベント開始2時間前くらいから準備してもらって、イベント開始10時ごろには溶けている状態にします。

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 そこから溶けた金属をお客さまに鋳型に入れてもらい、数分待ち鋳型を壊して銅剣等を取り出します。取り出した銅剣等を業者が荒削りをしてお客さまに渡します。

 そこからお客さまに鉄鋼ヤスリ、紙やすりを使って2時間ぐらい磨いてもらいます。2時間ぐらい磨いてもピカピカにはならないので、続きは家で行ってもらいます。

――この体験プログラムはいつ頃から始まったのでしょうか?

担当者:青銅の鋳込みは2008、2009年度くらいには実施していたかと思います。年度によって内容は変更しておりますが、いまの有柄銅剣を作るスタイルになったのは2013年度からになります。

 いまは有柄銅剣、銅鏡、勾玉の3種を作っております。有柄銅剣は3分の2サイズ、銅鏡は原寸大になります。

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――施設のコロナ対策はどのように行っていますか?

担当者:来場者やスタッフのマスク着用はもちろん、アルコール消毒液を設置し、換気の悪い部屋は閉鎖しました。手すりを消毒し、狭い空間は人数制限・入れ替わり制とするなど徹底しています。体験プログラムも人数を縮小し、間隔をとっています。

――公園の運営に関して、コロナ禍の影響は感じますか?

担当者:全体として来場者は減っています。ただ、当施設は公園エリアと遺跡エリアがあり、開放的なスペースなので、12月に関しては1000人ほど増となりました。天気がいいので、意外と多くの方にお越しいただいたのかなと思います。

――吉野ヶ里遺跡・公園の魅力について教えてください。

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担当者:当施設は、芝生があるエリア、遊具のエリアもありますし、遺跡エリアは勉強になる場所です。それらが共存している施設はなかなかないと思います。ご家族で楽しめる、一日ゆっくり過ごせる空間です。くつろぎに来ていただければと思います。

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