ニュース
小津監督「東京物語」などアマプラで「然色映画」として何者かがカラー化配信 松竹「松竹から提供しているものではありません」
「作品に対する冒とく」との批判も。
advertisement
「東京物語」など著作権が消滅した映画をカラー化した映像が、一時Amazon Prime Videoで配信されていました。松竹提供と記載されていたものの、松竹の提供ではないことが編集部の取材で判明しました。
配信されていたのは、小津安二郎監督の「東京物語」「一人息子」「麦秋」(松竹)など。モノクロ映画ですがカラー化され、タイトルのあとに「然色映画」と記載されています。視聴者からは自動彩色ではないかとの指摘も。削除前に編集部で確認したところ、ちらつきの多い不自然な映像になっていました。
内容改変はカラー化だけではなく、一部の映像編集にも及んでいたようで、レビューには「勝手に編集しているのか、途中から話が飛んだり戻ったり」「途中からツギハギの編集だらけ」「映像が途中、なくなって、違うシーンへ飛んで行きます」といったコメントが並び、SNSでも「作品に対する冒とく」といった批判も相次いでいました。
advertisement
これら配信映像の詳細情報欄には「提供 松竹株式会社」と表記されていますが、編集部が松竹に問い合わせたところ、「これらは松竹から提供しているものではありません」との回答。クレジット表記は虚偽であることが分かりました。
また同社にAmazon.co.jp側に対し対応を取るかを聞いたところ、社内で対応について検討しているところだったとのこと。しかし既にAmazon側で対応を取ったようで、当該の配信は作品ページこそ残っているもの、視聴ができない状態となっています。
松竹による小津作品3作のほか、第一映画社の「祇園の姉妹」(溝口健二監督)、新東宝映画の「大阪の宿」(五所平之助監督)も配信されていましたが、現在は視聴できなくなっています(※「大阪の宿」は著作権が消滅していません)
関連記事
「これやったの誰ですか?」 人気YouTuberの動画がAmazonプライム・ビデオに無断転載
所属先企業はAmazonに権利侵害の申請をしています。漫画だけではない、Kindle“海賊出版”の実態 Amazonの審査体制に「漫画村プロと変わらない」と批判も
Kindleで広がる海賊版コンテンツについて、「きんどう」管理人のきんどうさんに聞きました。「漫画村」のロゴ入り漫画、Amazon Kindleストアで無断販売される 集英社「至急対応する」
「漫画村」のデータを「Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング」で販売したものか。GMOから流出した個人情報、Amazon「Kindle」で電子書籍として販売 悪質な二次利用か
販売ページはすでに削除されています。【11月2日追記】Kindleストアでもし自分の同人誌が「無断」で売られていたら……? どうしたらいいかAmazonに聞いてみた
現状では1つ1つAmazonに報告するしかないもよう……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.