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「私の猫は弁護士です」 語学アプリ「Duolingo」がなぜかカオスな例文のトイレットペーパーを作った理由が意外に深かった話

実は世界で5億人以上が利用する「楽しい語学アプリ」。

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 ある日、ねとらぼ編集部に届いた謎のギフトボックス。開けてみると中に入っていたのは「Duolingo Roll(デュオリンゴロール)」というトイレットペーパーでした。一体なぜこんなケーキみたいな箱でトイレットペーパーを……?

これは一体……?
どうやらトイレットペーパーのようです

 送り主は語学アプリの「Duolingo(デュオリンゴ)」。同封のメッセージカードによると「外国語学習はハードなのでソフトにしました」というネタグッズのようです。確かに3枚重ねでめちゃくちゃ柔らかいけどそういうことじゃないよ!

ふんわり3枚重ねで頭脳にもおしりにもやさしい
っていうか例文のクセもすごいんだけど!

 しかもこの“Duolingo Roll”、プリントされている例文を見ると「私の猫は弁護士です」「すみません、私はリンゴです」などクセの強いものばかり。一体なんなんじゃこれは! ということでDuolingoさんに直接お話を聞いてきました。

事前にDuolingoのアプリを見てみたらそこにもちょいちょい気になる例文が。どういうアプリなの……?

エイプリルフールネタから生まれた「Duolingo Roll」

―― すいません、なんか謎のアイテムが届いたんですけどあれは何なんですか。

Duolingo:お楽しみいただけましたか、私たちのDuolingo Rollは?

―― まあ、確かに僕のお尻的には楽しませてもらいましたが……。

Duolingo:それならよかった!

―― よくないですよ! いや、使用感はよかったんですけど。というかなんでDuolingo Rollなんてものを作ったんですか?

Duolingo:外国語学習って習慣的に学ぶのが大切ですけど、多くの人は「勉強する時間がない」って言いますよね。でも人は1日平均14分はトイレにいるんです。

―― だからトイレで勉強すればいいと……?

Duolingo:その通りです。私たちの語学アプリ「Duolingo」は5分のスキマ時間でも楽しく継続的に外国語を学べます。「アプリすら開けない」という人もたまにいるんですが、人は必ずトイレに行くのでDuolingo Rollなら言い訳できません。革新的な外国語学習ツールです。

―― な、なるほど。

Duolingo:っていう話をしていたら悪ノリで本当に作ることになりました。

―― 悪ノリかよ!

Duolingo:まあエイプリルフールのジョークグッズですよ。HAHAHA!

とか言って手の込んだ特設サイトまで作ってました
それっぽい文面だけどよく読むとおかしい裏付け(スザンヌ・ダイアモンド博士なんて人はいない)
レビューもなんか根本的に間違ってる

―― 陽気だもの。そういえば例文もずいぶんふざけたノリのものが入ってたんですが。

Duolingo:それにも理由があります。やはり外国語学習というのは大変なのでくすっと笑える例文を入れることで楽しんでもらいたいということがひとつ。外国語学習というのはパターンに慣れると深く考えなくても問題をこなせてしまうというのがひとつの課題なんですが、たまにありえない例文が出てくるとハッとする、という効果もあります。

―― あ、全部が全部めちゃくちゃな例文ってわけではないんですね。

Duolingo:もちろんです。でも真面目な例文の中に突然「イルカがカギを失くしました」って例文が出てきたらびっくりして面白いでしょう?

―― まあ絶対「なんでだよ!」って言っちゃいますね。

Duolingo:海外のユーザーがDuolingoに出てくる変わった例文ばかり集めてつぶやくTwitterのbotを作って、ネット上でちょっと人気になっているんです。「Shit Duolingo Says」=「Duolingoのクソみたいな例文」ってアカウントなんですけど、じゃあほんとにShit(クソ)をしながら学べるツールを作っちゃおう、というのも今回のDuolingo Rollを作った背景にありますね。HAHAHA!

―― ジョークにジョークで返すあたり、煽り耐性が強すぎる。

Duolingo:あとですね、一風変わったシチュエーションやキャッチーな例文は文章の構造を覚えやすくしてくれるんですよ。「イルカがカギを失くしました」という妙に記憶に残る一文を覚えておけば、単語を入れ替えるだけで「弟がカギを失くしました」のような実用的なフレーズとして使えます。

―― 確かに……! 意外と学習効率的な意味でも効果があるんですね。

Duolingo:Duolingoは「FUN(楽しい)」「FREE(無料)」「EFFECTIVE(効果的)」という3つのキーワードにこだわっています。一風変わったユーモアや楽しさというのはブランドの大事なアイデンティティなんです。

Duolingoが「無料」にこだわる深い理由

―― 今までにもDuolingo Rollみたいなネタ企画をやってきたんですか?

Duolingo:2019年のエイプリルフールにアメリカで「Duolingo Push」という動画を出しています。もともとDuolingoはしばらくアプリを起動しないと「私たちの関係はもう終わりなのかな……」みたいなプッシュ通知を出すんですが、アメリカのTwitterでは「俺たちの生活ってDuolingoのプッシュ通知に追いかけ回されてるよな(笑)」というのがあるあるネタになってまして。それに乗っかる形でDuo(Duolingoのマスコットキャラ)の着ぐるみが本当に追いかけまわしてくるプロダクトを作りました、というジョーク動画にしたらバズりました。

「プッシュ通知(物理)」を表現したネタ動画
実際にきたプッシュ通知。愛おしくなっちゃう……

―― アメリカっぽいセンスだ。でもそれがあるあるになるくらいアメリカではDuolingoが浸透してるんですか。

Duolingo:世界で5億人以上のユーザーがいてアメリカをはじめ南米や欧州では相当メジャーな語学アプリになっています。公立学校よりDuolingoで言語を学んでいる人のほうが多いんです。ビル・ゲイツやオバマ元大統領もDuolingoでフランス語やスペイン語を学んでいたという話もあります。

―― すごっ! 日本ではどうなんですか?

Duolingo:日本には2020年の11月に本格参入したばかりなんですが、既に口コミなどでも広まっていて英語などの外国語学習をする人の間ではそれなりに知られたアプリになってきています。現在は「英語」「韓国語」「中国語」の3言語が学べます。

―― 他のアプリと比べて何がそんなに違うんでしょう。

Duolingo:ひとつはやはり「ゲーム感覚で楽しい」という部分ですね。イラストを見て「ハンバーガーを選んでください」といったものなどクイズ感覚でサクサク進められるのが特長です。レッスンをクリアすると経験値がもらえたりユーザー同士でスコアを競う機能もあります。

ゲームっぽいUI
「連続ログインボーナス」的な制度があるのもソシャゲ風

―― 見た目とか仕組みもなんかソシャゲっぽいですね。

Duolingo:そんな感じでハマっていく人も多いです。現在40言語が学べるんですが、中には「ハワイ語」のようないわゆる絶滅危惧種言語やドラマのゲーム・オブ・スローンズに出てきた「高地ヴァリリア語」、スタートレックの「クリンゴン語」といった架空の言語も学べます。

マニアックな言語もある

―― なにそれ! そんな言語を学びたい人もいるんですか?

Duolingo:社会的意義のためにやっていたりネタとしてやっていたりといった部分ですが、Duolingoのシステムだと知らない言語を学ぶほうが楽しいんです。消滅が危惧されるような言語ではネイティブスピーカーの人よりDuolingoで学んでいるユーザーのほうが多かったりします。

―― そこまでいくとほんとに学習ではなくゲームですね。

Duolingo:あとは「すべての学習コンテンツが無料」という点です。収益はアプリ内広告、もしくは広告を非表示にするなど一部機能が優遇される有料プランであげているんですが、学習内容はすべて同じです。

コンテンツはすべて無料

―― それだとあんまり儲からないのでは?

Duolingo:それは創業者のルイス・フォン・アーンの重要なコンセプトです。Webサイトにログインするときなどにランダムな文字列を打ち込んで人間であることを確認する「CAPTCHA」という認証システムを作った人なんですけど。

―― あれ作った人なんですか! めちゃめちゃエリートだ。

Duolingo:ルイスはグアテマラという貧困国で育ったんですが、そこでは「外国語を覚える」ことが職を得るための最も有効な方法のひとつなんです。ところがお金がないと教育を受けられないという構造的な矛盾がある。そこで無料で言語を学ぶ方法はないか、と立ち上げたのがDuolingoなんです。

―― ああ、だから簡単な問題から楽しく学べるような設計になってるんですね。

Duolingo:その通りです。既にグアテマラの一部公立学校ではDuolingoが導入されていますし、Duolingoを学校の教材として利用するプログラムも各言語で用意されています。Duolingoで学んだ言語で多くの人が給料の高い仕事を得られるような世界にすることを私たちは目指しています。

かなりの学習効果があるという研究結果も

―― 変なトイレットペーパー作ってふざけてる企業かと思ったらめちゃくちゃちゃんとした理念があった……。

Duolingo:外国語学習を通すと世界の情勢も見えてきます。例えばスウェーデンのDuolingoで一番学ばれているのはスウェーデン語。これはシリア難民の人たちが現地のコミュニティに溶け込むためにスウェーデンの言葉をDuolingoで学んでいるからなんですね。

―― なるほど……! 日本人はよく「学校で何年も英語を学んでいるのに全然英語ができない」などと言われますけど、そのへんはどうなんでしょう?

Duolingo:日本の英語学習って既にある程度できる人が英語力テストで満点を目指すようなものが多くてその逆が意外とないんです。日本の英語教育の質はすごく高いんですが、中学英語で挫折してそこからずっと英語がコンプレックスになってしまうようなケースが多いんです。「ミスしたらどうしよう」「自分の発音変だと思われてないか」など生徒同士の目が気になってしまったり。

―― すごく身に覚えがあります。

Duolingo:日本だと「授業はもう本番」なんですよね。Duolingoは個人学習なのでミスを気にせず気軽に英語に触れられるので、初心者や苦手な方々にとっては心理的な学習ハードルを下げることが期待できます。また今は小学校から英語の授業がありますが、そのタイミングで親子でDuolingoをやって英語に慣れておくのもよいと思います。

リスニングやスピーキングの問題も1人なら気軽にチャレンジできる(外出時はスキップも可能)

―― 子どもってゲーム系のアプリだとものすごい集中力を見せたりするから向いてそうですね。

Duolingo:やはり外国語学習の最大のハードルは「モチベーションが続かない」という点なんですよね。だからこそ「楽しく継続して学べる」ことが大切ですし、ときにはDuolingo Rollのような笑えるアプローチをすることも必要だと思っています。

―― なんかうまいこと丸め込まれた気がする! Rollだけに!

Duolingo:HAHAHA!

Duolingoは無料のアプリ&Webサイトで利用可能

 DuolingoはiOS/Androidアプリ、およびWebサイトから無料で利用可能です。一度英語に挫折した方やこれから新たに外国語を学びたいという方などはぜひ一度試してみてください。

提供:Duolingo
アイティメディア営業企画/制作:ねとらぼ編集部/掲載内容有効期限:2021年4月8日

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