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筑波大学の履修ツールが年度早々長期メンテに→“新入生”が代替システムを一晩で開発し「強すぎる」と動揺広がる(1/2 ページ)

IMAGINE THE FUTURE...

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 筑波大学の授業データベース「KdB」が4月5日より長期メンテナンスを続けており、新年度の履修登録に活用したい学生の間に波紋が広がっています。しかし、さらに輪をかけて驚くべきは、その代わりとなるシステムを1人の“新入生”が開発・公開してしまったのです。

 この春から同大学メディア創成学類の1年生になった製作者・いなにわうどん(@kyoto_mast21)さんに話を聞きました。

 筑波大学は約260万平方メートルの広大なキャンパスを有し、在学生は学類(学部)の垣根を超えてさまざまな講義を気軽に受講できます。そんな多様性あるカリキュラムを支援するシステムが「KdB」。授業の情報を集約したデータベースで、履修を大きく手助けする……はずなのですが、年度初めのこの時期に約1週間の長期メンテナンスに突入したのです(12日24時の終了を予定)。

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 そうした中で、いなにわうどんさんは新入生にもかかわらず「KdB」に代わる自作のデータベースを11日に公開。学生の間で瞬く間に拡散され、一躍時の人となりました。

「筑波大学には学生が熱意を持って多様な物事に挑戦していく土壌がある」

――今回のシステムはお一人で制作されたのでしょうか。

いなにわうどんさん 当初は一人で制作し公開していました。

 その後、GitHubというソフトウェア開発のプラットフォームにソースコードをアップロードしたところ、同級生や上級生を始めとする方から新機能の実装やバグ報告が続々と行われ、現在は複数人で制作を進めています。

――開発に至った経緯を教えていただけますか。

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いなにわうどんさん 現在、大学は履修登録期間中であり、7000以上もある科目から履修する科目を選択しなければなりませんでした。

 しかしながら、まさに履修登録期間が始まった4月5日から学内サーバーの動作が不安定になり、KdBに至ってはすでにメンテナンスが1週間程度続いています。

 Twitter上でも不便に思う声が続出していたため、これくらいであれば簡単に実装できそうだと思い、開発に至りました。

――いつ頃から制作を開始したのでしょうか。

いなにわうどんさん 4月10日の22時頃から実装を初め、11日の1時半頃には公開できました。

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――本家のKdBと異なる点があれば教えていただけますか。

いなにわうどんさん 当初から想定していたわけではありませんが、結果として公式のKdBよりも動作が軽量になり、検索時間が大幅に短縮されました。ユーザーからも「今までよりも軽くてうれしい」という声を頂いています。

――セキュリティの脆弱性を心配する声も上がっていますが、いかがお考えですか。

いなにわうどんさん  従来よりシラバス情報は一般に公開されており、公開したWebサイトも、大学が公式に提供していたCSVデータを利用して作成しました。そのため、大学のサーバとは一切リンクしておらず、セキュリティ的な懸念は存在していません。

――反響についてコメントをいただけますか。

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いなにわうどんさん 当初予想していた数十倍もの反響があり、非常にうれしく思います。

 本システムの登場以前から、筑波大学では学生有志が大学生活をよりよいものにしようと、自らさまざまなアプリケーションの開発に取り組んでいます。例えば「Twin:te」という、筑波大学専用にカスタマイズされた時間割アプリケーションは実際に4000人以上の筑波大生が利用しており、学生の間ではすっかり浸透しています。

 また今回の流れを受けて、制作に携わったメンバーを中心として、大学生活をより豊かなものにするためのソフトウェアを開発するサークルを立ち上げることが決まりました。

 入学してまだ間もないですが、筑波大学には学生が熱意を持って多様な物事に挑戦していく土壌があることを折に触れて強く実感しており、非常に感銘を受けています。ツイートでは「筑波大学がカスなので」と強い言葉を使ってしまいましたが、あくまで表現の一種であり、大学に対する悪意は全くありません。私も学業と並立して、開発に邁進していければと思います。

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