南極観測隊が1960年代の「コカ・コーラ」缶と「ロッテ クールミントガム」を南極で発見! 実物を報道陣にお披露目(1/2 ページ)
50年以上前に当時の南極観測隊が南極へ持って行った食料の一部。
第61次南極地域観測隊の越冬隊が2020年9月、昭和基地に近くの南極大陸沿岸で「コカ・コーラ」の缶と「ロッテ クールミントガム」を発見。これらが50年以上前に当時の南極観測隊が南極に持って行った食料の一部であると分かり、両製品が日本コカ・コーラとロッテに手渡されました。
両製品は、青山雄一越冬隊長ら南極観測隊が氷床変動・地殻変動の調査で赴いた「向岩(むかいいわ)」という場所で2020年9月に発見されたもの。
カタカナで「コカ・コーラ」と書かれた缶は、缶切りを使って飲む250ミリリットル入りでプルトップなどはありません。同社の担当者によると、このタイプは缶入りコカ・コーラとして初めて発売されたもので1~2年しか販売されておらず、同社にも残っていない非常に貴重なものだといいます。
南極のペンギンがデザインされた「ロッテ クールミントガム」は、販売を開始した1960年当時の初代デザイン。1956年に1次隊が出発する前に、当時の越冬隊長・西堀栄三郎氏が携行食料としてロッテにガムの開発を依頼した縁から持ち込まれたものとみられています。
50年以上にわたって南極で眠っていた貴重な両製品は、無事日本に帰還。2021年4月15日に第61次南極地域観測隊越冬隊の青山雄一越冬隊長から日本コカ・コーラの佐々木章乃氏とロッテの毛利彰太氏にそれぞれ手渡されました。
コカ・コーラの佐々木氏は「コカ・コーラのミッションは世界を潤し世界にさわやかさをもたらすことです。半世紀以上も前に非常に過酷なミッションを遂行した皆さんに少しでもさわやかさを提供できたかと思うと非常に誇りに思います」と晴れやかな表情でコメント。缶とともに缶切りも発見されており、今後は米・アトランタのコカ・コーラ本社にある博物館での展示も検討していると話しました。
ロッテの毛利氏は、「ロッテ クールミントガムは、南極観測隊をモチーフとして開発された商品でもあるため、非常にロマンのある発見だと感じています」とコメント。ガムには消費期限がないという特性もあることから今回発見されたガムは中央研究所で分析する予定とのことでした。
またねとらぼの取材に応じた青山越冬隊長は、「過酷な環境下で活動することからブリザードなどに遭遇した場合を想定し、非常食をさまざまな場所で保管することはありますが、今回は小屋などではなく岩陰からダンボールに入った両製品が出てきました。ダンボール箱は劣化していましたが中身は無事で、コカ・コーラ缶とロッテ クールミントガムのほかに缶詰等も発見されました」と笑顔で答えました。
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