「運命的だ」「奇跡」 瓜二つな楽器の「入れ替わり事件」が発生→Twitterの力で持ち主のもとへ、友情も芽生える(1/2 ページ)
「ベーシストに悪い人はいない」と熱いコメント。
音楽スタジオで取り違えられた色違いのベース。それぞれの持ち主がTwitterで相手を探した結果、無事に見つかったばかりか互いに意気投合。一緒に飲みに行ったところ、ほかにも共通点がいくつも見つかり、友達になった話が「運命的すぎる」と話題です。
『拡散希望』7月2日に池袋ノアでスタジオ練習してた方で俺のベース間違えて持ってた方いませんか?間違えてるだけならまだいいんだけど本物のベーシスト、自分の物を大切に扱ってる人だと信じてその人にこのツイートが届きますように俺の黒のSadowsky返してください6日LIVE出れないよ(ba.翔さんのツイートより)
先にツイートしたのは、ba.翔(@baxxxsyou)さんでした。東京にあるスタジオで練習後、ベースが入れ替わっていることに気付きます。翔さんのベースは、サドウスキーというブランドの黒。ところが、ケースを開けてみると白いベースが入っていたのです。
『拡散希望』昨夜池袋ノアでスタジオに入ってた方で自分のベースじゃないベースを持って帰った方はいないですか?今日中身を確認したらケースもメーカーも同じで、色だけが違うベースが入ってました。自分が使ってるのはこれの白いバージョンです。無事見つかるように拡散お願いします。(眞崎大輔さんのツイートより)
数時間後、今度はバンド「0.1gの誤算」の眞崎大輔(@0153_daisuke)さんが、黒いベースの写真を添えて「ケースもメーカーも同じで、色だけが違うベースが入っていた」とツイートします。「自分が使っているのはこれの白いバージョン」とのこと。
ba.翔さんは、「自分のベースでないと気づいた瞬間は、楽しい練習の帰りの気持ちを一瞬で絶望感に変えてしまうほどの衝撃でした……」と、そのときの気持ちをふり返ります。眞崎大輔さんもまた次の日ライブ会場に入って初めて取り違えに気付き「絶望した」そうです。
しかし、2人がともに『拡散希望』としてツイートしたこともあって、それぞれのフォロワーが「この人では?」と互いのツイートを結び付けてくれる結果に。瞬く間に連絡が付いてしまったと言います。Twitterすごい。
「現場」となったスタジオの協力もあり、次の日にはお互いのもとに自分のベースが戻ってきたとのこと。眞崎大輔さんは、2人のベースを並べた写真をアップし、「こいつらはきっと双子だと思います!」とツイート。確かに色以外は全て同じに見えます。ba.翔さんによれば、フレットラップ(ベースのネックに装着する道具)まで同じだったそうです。
ミラクルはこれだけで終わりませんでした。
これを機に友達になったというba.翔さんと眞崎大輔さんが後日一緒に飲みにいったところ、出身校が同じであったことや、家が車で数分の距離と近いこと、業界に入ったのも同時期であることが判明。実は一度おなじライブで「対バン」していたなど、いくつもの共通点が見つかったというのです。まるでドラマ。
眞崎大輔さんはねとらぼの取材に「拡散に協力してくださった方がたのおかげで手元に戻ってきました。お相手とも『こんな奇跡があるんですね』とすぐに仲良くなりました」とコメント。「あらためてベーシストに悪い人はいないなと感じました(笑)」と述べています。
一方のba.翔さんからは「今ではこの奇跡みたいな出会いにとても感謝しています。大変なご時世で音楽イベントも中止が相次ぐ状況ではありますが、音楽の素晴らしさ、音楽が持つ力をこの大切なベースと共に、微力ながら発信していけたらと思います。ご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました!」と、熱いコメントが返ってきました。
一連のツイートには、ファンやフォロワーから「まさに運命」「すごく素敵な出会い」「大人になると友だちって作れなくなるけどベースが結んでくれた」などと、まるで自分のことのように喜ぶ声がいくつも寄せられていました。
ライブやイベントが延期・中止になるなど、暗いニュースが続く音楽業界にあって、心温まるニュースになったようです。
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