祖母にいじめられる母の「本当の強さ」を知った日 うわさ話から子どもを守る母親の漫画に「大事な話」「グッときた」(1/2 ページ)
「それは子どものあなたに伝えることではないから」
人が集まるとうわさ話が起こりがち。身近な人の評判や知らない一面が気になり、真偽不明な話をつい聞いてしまうことも。そんな“誰かについての情報”とのつきあい方を考えさせる漫画を紹介します。
子どもの頃、祖母から母の悪口を聞かされて育ったりこった(@ricotta_512)さん。母は祖母に罵られても言い返さず、嵐が過ぎるのを待つばかりでした。
時は流れ、成人を迎えたりこったさんは、久しぶりに小学校時代の友人と再会しました。友人たちは同級生のうわさ話で大盛り上がり。実は御曹司だった子、実家のお店を閉めてしまった子、さまざまな家庭の事情が次々と飛び出します。
りこったさんが「何でそんなに詳しいの?」と聞くと、友人たちは「お母さんから聞いた」と答えるのでした。
帰宅後にその話をすると、母は全部知っていました。「なんで教えてくれなかったの」とたずねるりこったさん。すると母はうわさについての持論を語り始めます。
良いことを広める人はいないが、悪いうわさは一瞬で広まる。それは自身がつらい思いをして学んだ教訓でした。「子どものあなたに伝えることではないから」。それを聞いたりこったさんは、祖母が否定した母が本当は強い人だったと知ったのです。
そして現在、母親になったりこったさんは、息子が通っていた保育園の先生が事件を起こしたとニュースで知ります。それを息子に伝えようとして、ふと母の教えを思い出したりこったさん。
息子の中にある「面白い先生」の印象を壊す必要はない。誰かが話すうわさより、実際に感じたことを大事にできるようになってほしい。そう思い直し、口から出かけた言葉を飲み込むのでした。
漫画には、「すごく大事な話だった」「めちゃくちゃグッときてしまった」と、心動かされた人の声が多数寄せられました。「こどもに与える情報の選別。その正しさを教えられた気がする」「生徒に知らない間にうえつけてしまってることあるな。気をつけようと思いました」と大人の立場からのコメントも。悪気はなくても、先回りして与えた情報が、一方的な印象を植え付けてしまう。そんな危険性について考えさせる作品です。
りこったさんは漫画について「個々の価値観の違いに焦点を当てたもので、祖母を含め出てくる人物に悪者はいないと思って描きました」とコメントしています。
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