乗り鉄のイケナイ「夜遊び」 なぜか流行し出した「線内夜行列車」の魅力を探る:月刊乗り鉄話題(2021年12月版)(2/3 ページ)
夜通し乗っても遠くへイケナイ「伊豆急行スターナイトエクスプレス21」に乗ってきました。夜行列車の旅は「星空」と「夜明け」がいいんですよ~。
「夜空」と「日の出」 伊豆急行の夜行列車「伊豆急行スターナイトエクスプレス21」に乗ってきた
今回は、2021年11月6日~7日に行われた、伊豆急行の夜行列車ツアー「伊豆急行スターナイトエクスプレス21で行く 夜の伊豆半島と伊東温泉の旅」を取材してきました。
伊豆急行の夜行列車イベントは初開催とのこと。感染症の流行によって観光路線の伊豆急行も大きな影響を受けました。新たな試みに挑戦しようと、社員一丸となって取り組んだ企画です。
受付時間は夜の21時~22時。伊東駅のコンビニ前でした。
当日は、明るいうちに「サフィール踊り子5号」に乗って伊豆急下田まで乗り通し、下田ロープウェイで寝姿山を観光。暗くなってから伊豆急行の各駅停車で伊東駅着。海岸沿いを歩いて夜ごはんを食べて伊東駅に戻りました。“乗車前”に観光し、乗車後も現地で楽しめる。これも線内夜行列車の楽しさだと思います。今回私は参加しませんでしたが、ツアーのオプションとして「(乗車前の)伊東温泉ラヴィエ川良でのバイキング夕食と温泉ご入浴」もありました。
伊豆急行スターナイトエクスプレス21は22時29分に伊東駅を発車しました。
最初の停車駅は伊豆高原駅です。実はここ、東京都大田区出身の人々にはなじみ深いところです。大田区の保養施設「伊豆高原学園」があります。小中学校の移動教室、合宿が行われる施設です。ツアーの企画担当者さんも大田区出身で、地元ネタと懐かしい話題で盛り上がりました。
最近ではアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」などを手掛けたWHITE FOXの作画スタジオ「WHITE FOX 伊豆高原スタジオ」があります。修学旅行生向けにスタジオ見学も実施しているとのことです。
伊豆高原駅と言えば、映画「皇帝のいない八月」(1978年)のロケ地。自衛隊のクーデター派がブルートレインを乗っ取り上京する話です。厚狭駅(山口県)の場面がここで撮影されました。何と、背景に伊豆急行の電車も映っています。山口県という設定なんですけど(笑)。
ちょっと脱線しましたけれど、伊豆高原駅に停車中の22分間で、プラットホームから車両をいろいろ撮影できました。リゾート21「黒船電車」と「THE ROYAL EXPRESS」が並んでいます。遠くに見える車両工場には、JR東日本から譲渡された209系電車がいました。伊豆急行の次期主力車両になるそうです(12月11日、伊豆急行線開業60周年記念の「伊豆急行で生まれ変わる209系(無塗装)車両撮影会」が開催)。
次の停車駅は片瀬白田。海岸に近い駅です。ここでは23時27分から1時までの約30分、星空鑑賞会が行われました。
当日は残念ながら雨。予報では晴れだったのに……。数人の「星のソムリエ」さんたちが星座早見表を使って解説してくださいますが、見えませんでした。残念。
星のソムリエとはどんな人かというと、星空案内人資格認定制度運営機構が認定した「星空案内人」です。星のソムリエは登録商標だそうです。今回のツアーを催行した日本旅行は「星空案内人認定講座実施団体」の1つ。ツアーに同行してくださった星のソムリエは、日本旅行の社員さんたちでした。
海の次は山、というわけで、稲梓駅で10分停車。ひっそりとした雰囲気を感じ取ります。1時37分に伊豆急下田駅に到着。滞在時間は約1時間。プラットホームには過去に伊豆急行の列車に掲げたヘッドマークが展示されていました。駅の外には24時間営業のコンビニがあり、オヤツや飲み物の調達ができました。
折り返した列車は海岸付近で15分間の停車の後、伊豆高原駅へ。そこで1時間の停車の後、また伊豆急下田駅に向かいます。また折り返して片瀬白田駅に到着。ここまでが熟睡区間。リゾート21の中間車は、海の眺めを楽しめるように、海側の席が窓向きのベンチ風に配置されているところ。つまり、横になれます。車内には眠っている人も多数。眠れない人は駅付近の散策を楽しめます。
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