「たった数時間で二度としたくない疲労」 リアルな妊婦体験のレポ動画に「つらさを分かってくれて泣ける」と反響(1/2 ページ)
大切なのは、周りの人が寄り添うこと。
男性が10キロの砂袋をおなかに装着して過ごす「妊婦体験」をし、その大変さと日常に潜む危険について語る動画がYouTubeチャンネル「RESCUE HOUSE レスキューハウス」に投稿されています。
動画内で妊婦体験に挑んだのは、元レスキュー隊員の「タイチョー」。今回の体験企画は、以前に同チャンネルで公開された女性の生理体験の動画のコメント欄に「ぜひ妊婦体験もしてほしい」という声が多数寄せられたため、実現したといいます。
タイチョーに手渡された妊婦体験セットに入っていたのは、エプロンと10キロ分の砂袋がおなかに着けられるバッグです。体験中はこの装備で外出し、買い物や家事など通常の妊婦さんと同じ生活を送ることに。それは、タイチョーが想像していた以上に過酷なものでした。
まず苦労したのは、おなかが邪魔をしてなかなか足元に手が届かず、靴下や靴が履きづらいこと。よく「妊婦は自分の足の爪が切れなくなる」といわれますが、まさにその状態です。
外出先でも、危険がたくさん潜んでいました。駅の階段では、降りるときには視界が遮られて足元が見えづらく、昇るときには足が上がりにくいためつまずいて転んでしまう場面も。妊婦がエレベーターやエスカレーターを使うことの大切さを実感したのでした。
他にも、トイレへ行こうとして1人でズボンのファスナーを下げられなかったり、妊婦の腰にかかる負担を痛感したり……。タイチョーは「これが10カ月、24時間続くと思うと本当に大変」と繰り返します。
こうして、午後8時までさまざまな妊婦体験をしたタイチョー。ぐったりとした声で「たったの数時間で2度としたくないと感じる疲労」「これが本物の赤ちゃんだったらもっとしんどいだろうと思う」「お母さんって強い……」としみじみ語り、妊婦が安全に日々の暮らしを営むにはパートナーの理解や協力が必要であると訴えました。
終盤は「これまで"パートナーのサポート"といわれても何をしたらいいのかわからなかった」という男性ならではの意見も飛び出します。そして、一番大切なことは「周りの人が妊婦さんに寄り添うこと」だとしたうえで、電車で席を譲る、重いものを持つなど、どんなに些細なことでも率先して手を差し伸べ、助けることの大切さを語りました。
動画のコメント欄には、「男性が辛さをわかってくれて泣けてくる」「ただの重りではなく、1つの命を抱えてるって意識しながらの体験をして、それを丁寧に伝えてくれて本当に有り難い…」「本物の妊婦さんはこの体験よりももっともっとキツくて苦しい生活をしてるの前提ですが、男性がその事を知ってくれるのは本当にうれしい」「涙が出ました」と、体験したタイチョーへの感謝のメッセージが寄せられています。
おなかにいる小さな命を守り育むために、身体や心の変化に戸惑いながらも日々を過ごしている妊婦さん。その日常に潜む危険や大変さが、動画を通して多くの人へ伝わることを願ってやみません。
Youtubeチャンネル「レスキューハウス」を運営するのは、元消防士が代表を務める株式会社VITA。「助かる命を助けるために」の事業理念をもとに、Youtube動画の発信や消防試験専門スクール「Toride」の運営をしています。
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