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30%がメタバースでの“お砂糖”経験あり―― 既に身近になりつつある「メタバース恋愛」の驚くべき実態とは【バーチャル美少女ねむ寄稿】(2/4 ページ)

“お砂糖”“お塩”って知ってる?

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恋愛に物理性別は重要でない 75%

 前章で見たように、現在のソーシャルVRはユーザーの物理性別の偏りが激しく9割弱が物理男性であり、また「中の人」の物理性別に関わらず8割弱が女性型アバターを使っていました。相手の物理性別はメタバースでの恋にどんな影響を与えているのでしょうか。

 「ソーシャルVRで恋をする時、相手の物理的な性別は重要ですか?」と聞いたところ、驚くべきことに、VRChatの場合、75%の人が「重要でない」と答えていました。物理現実において、一般的には恋は「異性」に対して芽生えることが多い感情です。メタバースではなぜ物理性別は重要でなくなるのでしょうか。

物理性別とVRの恋の関係(条件別)- ソーシャルVR国勢調査

 これに関しても、メタバース内のさまざまなフィルター、特にアバターによる影響が大きいのではないかと私は考えています。距離感やスキンシップで見てきたように、アバターの効果により物理性別に関係なく心理的距離が縮まり、物理現実で気づくことの難しかった相手の魅力に気づく効果があるのではないでしょうか。

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 条件別で見ても、ほとんどの場合「物理性別は重要でない」傾向が75%前後と極めて強いですが、例外的にclusterの52%とヨーロッパの51%はやや弱めに出ました。

 clusterについてはイベント用途の利用が多く、プレイ時間が少なめで、距離感も他のサービスほど近くありません。アバターの影響に引きずられるほど濃厚なコミュニケーションがまだ多くないのかもしれません。

 ヨーロッパに関しては、恋をしている割合は一番多いにも関わらず物理性別は重要という不思議な結果となりました。メタバースであっても恋愛はあくまで物理的な男女関係の延長線上と捉えてる考え方の違いが現れているのかもしれません。

 

アバターごしの恋の決め手は「性格」64%

 このように物理現実とは異なった様相を見せるメタバースでの恋愛なのですが、果たして相手に惹かれる要因はなんなのでしょうか。

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 「ソーシャルVRで相手に惹かれる時、始めのきっかけになるのはどんな要素ですか?」と聞いたところ、VRChatの場合、一位が「相手の性格」で64%、二位が「相手のアバターのビジュアル」で20%、三位が「相手の声」で12%と続きました。

ソーシャルVRでの恋のきっかけ(条件別)- ソーシャルVR国勢調査
物理現実での恋のきっかけ(男性、女性)- noel編集部調べ(2019、出展:公式Webサイト(https://noel-media.jp/news/1044 より)

 「恋のきっかけ」について条件別で分析しましたが、サービス・物理性別・地域による大きな違いは見られませんでした(唯一の例外として、ヨーロッパについては、一位「相手の性格」が81%と、更に極端な結果でした)。

 物理男女別でもう少し詳しく見ると「アバターのビジュアル」を恋のきっかけに選んだ人は、物理男性で21%、物理女性で13%となりました。

 同等の調査は物理現実においても数多く行われていますが、一般的に恋愛においては第一印象、特に相手の外見が大きく影響し、特に物理男性にその傾向が強く見られます。女性向けWebマガジン「noel」による調査(2019)によれば、物理現実において異性を好きになるきっかけは、物理男性の場合は「見た目」が一位で72%、物理女性の場合は一位が性格で、「見た目」は二位で37%でした。メタバースの場合の「見た目=アバターのビジュアル」は物理男性で21%、物理女性で13%ですので、物理男女ともにメタバースでは見た目の優先度がかなり落ちると言っていいでしょう。

 前章で解説した通り、メタバースにおけるアバターはその人の大事なアイデンティティであるものの、一方で、物理現実の肉体と違い、その人のセンスで自由に選べるものです。心理的距離を縮める意味では大きな力を発揮しているものの、アバターだけでは恋の「決め手」とまではなりづらいのではないでしょうか。

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 恋に「落ちる」というように、恋愛感情とは本人にはどうにもなりづらいものです。物理現実では、相性の悪い相手を好きになってしまい、悲しい思いをするような事例もままみられます。メタバースでは、相手と距離を縮めやすい一方で、相手の物理性別や見た目に惑わされず、相手の内面と正しく向き合えるとすると、ある意味では恋愛にとってもっとも理想的な環境であると言えるのではないでしょうか。

 

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