「スウォッチ」限定モデル発売で一時騒然、購入希望者殺到で販売中止に 「大半が転売ヤー」との声も(1/2 ページ)
現地にいた人に話を聞きました。
スウォッチは3月26日、同日発売予定だったオメガとのコラボレーションモデル「BIOCERAMIC MoonSwatch」の販売を急きょ中止したと発表しました。Twitterには多くの人でごった返す店頭の様子が多く投稿されており、現地はかなりの混乱状態となっていたことがうかがえます。
同モデルは、同じく時計メーカーのオメガとのコラボにより実現したもの。オメガの「スピードマスター」をスウォッチ風にアレンジしたもので、デザインもさることながら3万3550円という低価格で発売前から大きな注目を集めていました。
しかしいざ発売当日を迎えると、開店前から購入を求める人が店頭に殺到。販売予定だった渋谷店、原宿店、大阪店のいずれも大変な混乱状態となり、最終的には3店舗とも販売中止・同日は閉店となることがアナウンスされました。またTwitterでの報告を見ると、集まっていた人の大半が転売目的のいわゆる“転売ヤー”だったとの声や、店の前にパトカーが停まっていた写真なども。
編集部は現地にいたTwitterユーザーのt-moonさん(@tamukun)に、現地の様子をうかがいました。
―― 現地はどんな様子でしたか。
t-moonさん:現地(渋谷店)は、宇田川交番の前からぐるっとセンター街を囲む範囲で人が並んで(?)いました。お店の前と反対側も人が歩けないほど人が集まって(待ち構えて)いました。
センター街側からは宅配や、配達搬入のトラックなどの車も多く来るのですが、車が曲がれなくて困っていましたね。そのため警察が交通整理もしていました。
―― 具体的に何人くらい集まっていましたか?
t-moonさん:原宿は最大何人いたかは分からないですが、渋谷は1500人以上いたと思います。
―― 当初は整理券を配布する予定だったと聞きましたが、どのような流れで販売中止がアナウンスされたのでしょう。
t-moonさん:お店の前には人が何十人もへばりついていて、整理券を配る時間になってもシャッターが開くことはありませんでした。最終的に発売中止になるまでアナウンスもなかったですし、店員が出てくることもなかったです。警察の人が「今日は発売中止です」と呼びかけていましたが、すぐに帰る人はいませんでしたね。
―― 具体的にトラブルのようなものは目にしましたか。
t-moonさん:原宿店にもすぐ向かいましたが、そちらでは警察に「発売中止だからお帰りください」と言われて食ってかかっている人はいました。
―― 店側から混乱を収拾しようとするような動きはなかったのでしょうか。
t-moonさん:お店側の対応は、今回何もなかったと思います。店の中から、花火発売中止の貼り紙を貼ってそれだけ。謝罪もありません。代わりに警察が対応していただけです。
―― 並んでいた人の多くが転売屋との声もありましたが、t-moonさんから見てどう感じましたか。
t-moonさん:多くの人たちは間違いなく転売ヤーです。本当に欲しくて集まった人は極めて一部だと思います。
まず、ほとんどの人が腕時計をしていない。そしてホームレスのような見た目の人や、ガラの悪いやんちゃ系の人など、とにかく見た目からして腕時計とは縁遠そうな人たちばかりでした。あとは中国語を話している人がすごく多かったです。
―― 現場にいてどのようなことを感じましたか。
t-moonさん:お店側の対策がなされていないと感じました。前日までの話題性も考えれば、転売ヤーが群がってくることは予測できていたはずです(発売前なのに定価の3倍くらいの価格でフリマアプリなどに出品している人もいた)。対策不足、予測不足、店舗への指示不足。全てにおいてちゃんとできてなかったんだろうなと思います。
その後スウォッチ側は、公式Instagramのストーリーで販売中止になったことを報告。投稿によると、今後の販売方法については、公式サイトやSNSなどでの発表を待ってほしいとアナウンスしています。
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