「エアコンは“設定温度”28度が推奨」はよくある勘違い ダイキン「“室温”が28度になるよう調整を」(1/2 ページ)
ダイキンに適切な設定方法を聞きました。
真夏日が続く一方で節電も求められるこのごろ、よく耳にする「エアコンの冷房は28度に設定」は、勘違いだとする指摘がTwitterで話題を呼んでいます。
そもそもこの「28度」は、環境省が2005年から地球温暖化対策のために推進しているクールビズの指針。「冷房時の室温28度」を目安に空調を管理するとともに、軽装なども活用して快適に過ごすライフスタイルを呼びかける取り組みです。
ここで注意したいのが、28度にするのはエアコンの設定温度ではなく、あくまでも「室温」である点。環境省も「設定温度を28度にしても、室温が必ずしも28度になるとは限らない」「クールビズで呼びかけている『室温28度』は冷房の設定温度のことではない」と明言しています。
ただ、結果的に「28度」の数字だけが広まってしまったところはあり、「エアコンの設定は28度が推奨」と捉える人も多い様子。Twitterではこの誤解を正そうとするツイートが広く拡散され、「上司や家族が『28度』にとらわれて、設定温度を下げさせてくれない」「『28度』でなく、『快適な温度にしましょう』ではダメなのか」など、大きな反響を呼びました。
ならばエアコンの設定は何度が適切なのか? 編集部がダイキン工業を取材したところ、「使用するエアコンや住まいの環境によって異なるため一概に言うのは難しい」としたうえで、「温度計で室温を確認しつつ、おおむね28度をキープできるよう調節いただくのが良いと考えます」との回答がありました。
というのも、エアコンは一般的に、設定された温度を目指して運転するもの。設定温度に近づくと運転を弱めて室温の維持を目指し、外気温の影響で室温が上昇すると、再び設定温度を目指して運転を強めます。これを繰り返すため、設定以上の室温になるタイミングが発生することもあるということです。
そのタイミングが発生する度合いや、室温と設定温度がどれだけ離れたら運転が変化するかは、メーカーや機種ごとにまちまち。機種によっては28度よりも低めに設定したほうが良いケースもあり、前述のように温度計で測りつつ調整するのがベターとなるとのことでした。
あわせて、エアコンの節電方法を聞いたところ、「2週間に1度はフィルターを掃除」「室外機のまわりに物を置かない」「夏の日中に30分程度外出する程度であればつけっぱなしに」「風向きは水平、風量は自動で」とアドバイスがありました。詳しくは公式サイトの「エアコン節電情報」夏の冷房編を確認してほしいとのことです。
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