漫画「可愛い下着を買った話」に共感の11万いいね 自分の“好き”に正直になる姿に勇気をもらえる(1/2 ページ)
すてきな考え方です。
シンプルな下着ばかりを選んできた女性が、初めてかわいい下着を買った話がTwitterに投稿され、「めっちゃ分かる」「すごくいい漫画」と共感を呼んでいます。ツイートは記事執筆時点で1万7000件のリツイートと11万6000件の“いいね”を集め、大きな話題になっています。
「可愛い下着を買った話」
レースの下着を見て頬を染めているのは牟田山叶英(むたやまかなえ)、28歳。人生で初めてかわいい下着を買ったのです。
幼いころの叶英はかわいいものが大好きでしたが、兄が二人いるため洋服はお下がりばかり。大人になるにつれてかわいいものを素直にかわいいと言えなくなっていきました。
トドメを刺したのは13歳の時の体験。初めてのブラを買う時、レースやリボンがついたデザインのものを選ぼうとした叶英は、母親に「はしたない」と言われてしまったのです。
その一件以来、いい意味でも悪い意味でも「かわいい下着」にとらわれてしまっていたという叶英。そんな叶英に、転機が訪れました。
叶英の仕事は接客業。先輩という立場で、テキパキと仕事をこなします。一緒に働いている後輩ちゃんは失敗続きですが、「勉強熱心でいい子だから……」と叶英は将来に期待しています。
仕事を終えて、ロッカールームで着替える2人。叶英は後輩ちゃんの腕にチューリップのタトゥーが入っていることに気付きます。
タトゥーを見られて慌てる後輩ちゃんに「誰にも迷惑かけてないじゃないの」と声をかける叶英。後輩ちゃんは「販売の仕事は好きだけど見た目に関しては厳しい」「誰に見せるわけでもないけれど、自分のためのおしゃれって感じがして。なんていうか、一種の武装です」と打ち明けてくれました。
そんな後輩ちゃんの姿がまぶしく映った叶英は、買い物をしながら「自分の好きなものを大事にできるってすてきなことだなぁ……」と考えます。そして、自分の好きなものを一つ一つ思い浮かべた叶英は、幼いころに封印したフリフリのレースも「好きなもの」だったことを思い出したのです。
その晩、お酒を飲みながら通販サイトを見ていた叶英は、「かわいい下着よ! 我が家に集え!」「この世のかわいい下着は全部私のものや」と、ぐでんぐでんに酔った勢いでかわいい下着を購入。
早速届いた下着へ震える手を伸ばした叶英は、意を決して試着し、鏡の中の自分に目をやります。念願の下着を身に着けた自分は……めっちゃかわいい姿! 「可愛い。世界一可愛い」「この子のためなら何でもできる」と、天に昇るような気分です。
翌日。職場にクレーマーが現れ、叶英が対応をしていました。深々とお辞儀をしている叶英ですが、心の中でニンマリ。何しろ自分は世界一かわいい下着を着用しているのです。
クレーマーが去った後で後輩ちゃんが憤っていますが、叶英は冷静沈着。気持ちを切り替えて、週末のセールの準備に取り掛かります。
そんな叶英を見ていた後輩ちゃんは「今日の先輩、めっちゃ生き生きしてますね!」と一言。「顔が明るいです。ファンデ変えました?」と続けます。かわいい下着を着ている1日はストレスフリーだったことに気付いた叶英。自分に少しだけ素直になれた気がします。
誰にも見せないけれど、自分のために身に着けている、フリフリのレースがいっぱいついたかわいい下着。自分の「好き」を大切にすることの幸せを知った叶英は「また可愛い下着買おう」と決意しながら家路につくのでした。
この漫画を描いたのは、漫画家のオガワサラ(@saraogawa_)さん。投稿のリプライ欄には「見えない武装、大切ですね」「多分誰にでも通じる所あるよね」「分かる!かわいい下着、エロい下着、男のためじゃなくて自分のために着るんだよ!」といった声が数多く寄せられています。
共感が集まった「可愛い下着を買った話」は、6月24日発売の『わたしの武器を仕込んだら』1巻に収録されています。
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