ウィル・スミス復活! オスカー候補の呼び声高い“ビンタ事件”後初の主演作が延期撤回で12月配信へ(1/2 ページ)
クリス・ロックとはまだ話せていない。
米俳優ウィル・スミス主演映画「Emancipation」(邦題「自由への道」)がApple TV+で12月9日より配信開始されると発表されました。同作は3月に開催された第94回アカデミー賞授賞式でウィルが米コメディアンのクリス・ロックを平手打ちした事件を受け、2023年への配信延期が示唆されていました。
ウィルは自身のSNSで本ビジュアルと予告編をシェアし、そこへ「いままで制作した映画の中で一番大変でした。まさに“血と汗と涙の結晶”です! この壮大な物語を世界中に届けるために2倍、3倍の努力を重ねたAppleに感謝します」と制作/配信発表までの苦労を思わせるコメントを添えました。
この投稿へは「冗談抜きでオスカー級の演技」「もし来年もオスカーを受賞したら、まじで伝説になる」など、“ビンタ事件”のあった2022年の「ドリームプラン」に続き、ウィルの2年連続主演男優賞受賞を期待するコメントや、「あなたが戻ってきてうれしい!」「ウィルが終わったとでも思ってたか!?」など、ウィルの再起を喜ぶファンから多くのコメントも見られました。
同作は南北戦争中のアメリカで実在した奴隷ピーターを主人公に、彼が南部から北部を目指す自由と家族との再会を夢見てひた走る逃亡劇。作品の評価は大変高く、Appleが年内の配信に踏み切ったことで2023年の賞レースに組み込まれることになりました。
しかし3月のアカデミー賞で、妻のジェイダ・ピンケット・スミスの脱毛症によるスキンヘッドに関するジョークを飛ばしたクリスを、壇上へ上がり平手打ちし罵倒するというショッキングな行動をとったウィルは、その後SNSで正式に謝罪し映画芸術科学アカデミー会員を辞任。理事会側はウィルを10年間の授賞式出席禁止処分としたため、もし新作がノミネートを受けることになっても、彼が授賞式に参加できないということになります。
ウィルは事件後にあらためて謝罪動画を公開し、ネット上の質問に答えながら「クリスからはまだ話す準備ができていないと連絡があった」ことも明かしています。クリス側はウィルを起訴することはありませんでしたが、自身のショーではたびたび事件について触れることがあり、このウィルの謝罪動画にも「あんな人質ビデオ、くそくらえ」と発言し、今なお複雑な心情をのぞかせています。
日本では擁護の声も上がった一方で、アメリカではウィルの暴力は断固許されないという姿勢が貫かれてきました。Appleは同作の配信を2023年に延期するのではとの予想も多く、配信時期は未定とされていましたが、ついに年内の配信を決定。9日の配信開始に先駆け、すでにアメリカでは2日からの劇場公開も予定されています。
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