寝袋のような赤ちゃん用衣類に「股関節の病気リスクあり」医師が指摘 商品の販売が一時停止に【追記あり】(1/2 ページ)
「両膝と股関節が十分曲げることができM字型に開ける、かつよく動かすことができる衣類」が推奨されます。
身体を寝袋のようにくるむ赤ちゃん用の衣類が、股関節の病気を引き起こす可能性があるとして、物議を醸しています。編集部では、きっかけとなる問題提起をした整形外科医のおると(@Ortho_FL)さんに話を聞きました。
“脚の動きを制限する衣類”には「発育性股関節形成不全」のリスクあり
おるとさんによると、赤ちゃんの身体を布でくるむような形状の、脚の動きを制限する衣類は「整形外科的にはアウトすぎる」のだといいます。理由は「股関節が外れて育つ『発育性股関節形成不全』のリスク」があるため。おるとさんは、「この病気のせいで小さな頃から何度も手術が必要になる子供がいます 子供の将来に関わるので頼むから使わないで」と述べます。
投稿には、実際に発育性股関節形成不全を患い、何度も手術をした人たちの体験談も寄せられ、商品を危険視する声が多く上がりました。
発育性股関節形成不全を避けるためには、どのような衣類を着ればいいのか、編集部がおるとさんに尋ねたところ、「両膝と股関節が十分曲げることができM字型に開ける、かつよく動かすことができる衣類」を推奨するとの回答がありました。赤ちゃんの衣類では、股関節が十分に稼働できる余裕のあるものを選ぶことが大切だと考えられます。
商品は販売を一時停止 販売元は「安全性を再確認してから販売を再開予定」
問題が指摘されている商品は、育児用グッズを取り扱うKonnyが販売する「コニースワドル(袋型)」とみられ、同社の公式Instagramにも同様の指摘が寄せられています。同社は指摘を受けて、販売を一時停止に。
Konnyは、Instagramに寄せられた新潟大学医学部小児科学教室からの「股関節発育不全を引き起こすことがないよう、安全性のご検討お願いいたします」というコメントに次のように回答しています。
「弊社でも赤ちゃんの股関節の発達に関する内容を十分承知しており、製品開発をする際にもこの点をしっかりと考慮しております。製品開発の段階では生地が非常に薄く伸縮性が高いため股関節の発達に問題がないと判断しておりました。皆様のご懸念を受けて該当商品の販売を中断し、公の機関を通じて安全性を再確認してから販売を再開する予定です」
現在、編集部ではKonnyに商品販売停止の経緯や、開発の状況などについて問い合わせ中で、回答があり次第追記する予定です。
【2022年11月11日追記】コニーの回答
「販売停止に至った経緯」「開発時、安全性の検証や医師の監修などはあったのか」の2点について、コニーに尋ねたところ、以下の回答があったため、追記します。
コニー:コニースワドルは「ママ、パパの日常を楽に、スタイリッシュに」というビジョンの下、子どもの健康と親の暮らしのために長期間のテストを経て制作した製品です。それにもかかわらず、お客様に子どもの健康に関するご懸念を生じさせてしまったため、 製品とコンテンツを点検し、補完するため一定期間販売を中断することを決定しました。
コニーは新生児から使用する製品を作るブランドであるだけに、乳児の股関節の健康について熟知した上で、全ての製品を開発しております。コニースワドルは、西洋で広く使われている手軽なタイプのポケット型ポーチ(Swaddle Cocoon Pouch)をモチーフにして、赤ちゃんが股関節を自由に動かせるよう薄くて伸縮性の高い素材を使用し誕生した製品です。この世界に生まれてきた赤ちゃんがお母さんのお腹にいるような安定感を感じられると同時に、赤ちゃんの股関節の健康を守るために赤ちゃんの体とおむつが見えるほど薄く、股関節を自由に動かせるように伸縮性がとても高い素材を使用しています。写真1・2をご覧いただくと、赤ちゃんが自由に足を曲げたり伸ばしたりする様子をご確認いただけます。
子どもの健康の検証と再検証は、子ども向け製品を開発するコニーが常に一番大切にしている最優先事項です。一般的なスワドルはあまり伸びない素材で作られるため、このような懸念をされることも当然で自然なことだと思います。いつも子どもの安全を最優先に考えているコニーだからこそ、寄せられた関心と懸念に一層安心できる製品やコンテンツでお応えするため、コニースワドルは公式的な認証と手続きなどの、追加の検証を終えた後に販売可否を再度検討致します。
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