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「シンカンセンスゴイカタイアイス」に込められたカタイ意志 「最高級のアイスクリーム」目指した創業者のこだわり(1/2 ページ)

当時と変わらない味を今も守り続けているそうです。

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 すぐに食べられないほど固すぎることから「シンカンセンスゴイカタイアイス」という愛称で知られているスジャータ アイスクリーム。

 車内販売で提供される商品ラインアップの中で、圧倒的な支持を得ているロングセラー商品はどうして作られたのか。商品開発に挑んだ経緯を、製造元のスジャータめいらくグループに取材しました。


定番のスジャータ「アイスクリーム バニラ」

商品開発の指揮を取ったのは創業者

 スジャータ アイスクリームが発売されたのは1991年ごろ。具体的な販売開始日については、スジャータめいらくグループも把握できていないとのことでしたが、東海道新幹線で運行していた「こだま」か「ひかり」で販売がスタートしたそうです。

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 当時から新幹線の車内ではスタッフが「商品をワゴンに乗せて売り歩く」というスタイルが主流でした。保管スペースから商品をワゴンに移し、車内を巡回して飲み物やお弁当などを売り歩くのは想像以上に時間がかかるため、冷凍商品であるアイスクリームを提供するには工夫が必要でした。


今では公式が採用するほど定着した「シンカンセンスゴイカタイアイス」という愛称(画像はジェイアール東海パッセンジャーズより)

 そこでスジャータは車内販売で売り歩く間に溶けてしまわないように、一般的なアイスクリームよりもオーバーラン(空気含有量)を少なくしています。これによってアイスは溶けにくいかためになり、これが高級感のある濃厚な味わいにもつながっているといいます。

 JR各社ではアイスを保管する温度の管理を徹底しており、提供直前までドライアイスを使ってキンキンに冷やされています。そうした両社の企業努力によって「いつでもおいしいアイスクリームが味わえる」というサービスを届けてきました。

 そんなアイスクリームは、どういう経緯があって作られたのでしょうか。

 商品開発のきっかけは、新幹線の車内販売で「特別な商品」として、「厳選素材をふんだんに使った、最高級バニラアイスクリーム」を売り出すと、スジャータめいらくグループの創業者である日比孝吉社長(当時)が発起したこと。商品開発は社長自ら指揮を取ったそうで、肝入りの企画となったことは言うまでもないでしょう。

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 定番のバニラ味のパッケージを見ると、そこには「北海道産生クリーム使用」と書かれ、原材料には砂糖や卵黄などが記されています。これらの原料や製造方法について聞いてみると、驚くことに「原料、製法共にほぼ変わっていない」そうです。

 試行錯誤の繰り返しの末に社長が自信を持って世に送り出した味は、現在もしっかりと受け継がれているそうです。

発売当時から現在までの製品ラインアップの変化

 アイスクリームの王道ともいえるバニラ味などの定番ラインアップは「当時から変わらない味」を守り続けているわけですが、近年はさまざまなフレーバーの開発にも挑戦しています。


2017年に北陸新幹線の車内限定で販売された「加賀さつまいも」

 自社のロングセラー商品である「スジャータ コーンクリームポタージュ」を製造する技術を活用して、2010年に発売した「スジャータ コーンポタージュアイス」や、東北新幹線開通に合わせて開発した「スジャータ りんごアイス」、「紅ほっぺ(静岡県産)」を使用した「スジャータ アイスいちご 静岡県産紅ほっぺ」といった地域の特産品とコラボした限定商品は好評を得ており、新作が出る度にファンの間で大きな話題となっています。

 「新たな味に挑戦する」ことに対しても創業者から受け継いだ「原料に対するこだわり」を大切にしているそうです。

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 ちなみに「シンカンセンスゴイカタイアイス」と呼ばれ、「固さ」が話題になることについては、「販売直前までドライアイスで冷やすほど徹底していただいている品質管理と、濃厚な味わいを極めたことが『固さ』につながっていて、固さの話題と共に味も評価してくださることが多く、大変うれしく感じております」とのことでした。

春山優花里

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