創業130年老舗駅弁メーカーの弁当に「食中毒疑い」 社長謝罪「心よりお詫び」 原因判明まで「製造自粛」(1/2 ページ)
スーパー各社が注意喚起。
埼玉県は、創業130年を超える老舗駅弁メーカー「吉田屋」(青森県八戸市)の駅弁を食べた人から、食中毒が疑われる症状が出ていると発表しました。同社は特定期間に販売した駅弁に「商品不良」があったとして、現在11商品の製造・販売を自粛しています。
埼玉県保健医療部食品安全課は19日に「県内で販売された弁当による食中毒疑いについて」と題した報道向け資料で「青森県内の株式会社吉田屋で製造された商品を、9月16日(土)に株式会社ヤオコー他で販売し、一部の商品を喫食した方が、嘔吐・下痢等の体調不良を呈したことが判明しました」と発表しています。
食品スーパー・ヤオコーで販売された対象商品は「贅沢かに盛り 極弁当」「函館うにの箱めし」「函館市場寿し」など7商品で、このうち「函館うにの箱めし」「函館海宝煌めくイクラと大玉ほたて弁当」を食べた人から体調不良者が確認されているとしています。
埼玉県は「当該弁当を購入され、お持ちの方は、消費期限は切れておりますが、喫食されないようにしてください。また、既に喫食され、体調不良を呈した方は、最寄りの保健所にご相談ください」と呼びかけています。
ヤオコーも18日に発表したニュースリリースで「ご購入のお客様には多大なご心配とご迷惑をおかけしましたこと深くお詫び申し上げます」と謝罪。「今回の事態を厳粛に受け止め、再発防止に努めて参る所存でございます」としています。
ヤオコー以外にも、東北地方に展開するヨークベニマルは16日に販売した「函館わっぱめし海鮮ミックス」で、中国地方に展開するイズミは16日~17日開催のフェアで販売した「北海道産 特選いくらの贅沢丼」にそれぞれ「商品不良」があったと説明。心当たりのある利用客に対し、購入店舗などに連絡するよう呼びかけました。
メーカーも謝罪「心よりお詫び」
弁当を製造した吉田屋も17日、公式サイト上で「この度、2023年9月16日に販売しました駅弁に商品不良があったことが判明いたしました」と発表しています。同社は「現在、発生原因を調査中ではございますが、2023年9月17日の販売は中止しております。お心当たりのお客様につきましては、大変お手数をおかけいたしますが弊社までご連絡いただきますようお願い申し上げます。現在原因が判明するまでは製造、販売を自粛させていただいております」と説明しています。
対象は9月16日、17日に販売した「函館海宝煌めくイクラと大玉ほたて弁当」「函館わっぱめし海鮮ミックス弁当」「海女のうに弁当」など11商品としています。
19日には同社の吉田広城社長名義の文書が公開され、吉田社長は「数ある商品の中から期待を込めてご購入されたお客様を悲しませる結果となり、会社を代表いたしまして心よりお詫び申し上げます。健康を害したお客様には一日も早いご回復を社員一同お祈り申し上げます」と謝罪しました。原因は八戸保健所とともに調査中だとしています。
また、駅の売店運営を行うJR東海パッセンジャーズは、同社の駅弁「秋の幕の内銘酒八仙の粕漬けと鮭いくら松茸ごはん」と飲み物を同時に購入すると割引になる「秋のトクトク駅弁セット」を15日から始めたものの、18日に「9月17日から当面の間、製造メーカー『吉田屋』の都合により販売を見合わております」と発表。同フェアを中止するとしています。
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