New York Times、OpenAIとMicrosoft提訴 記事を無断使用したと著作権侵害を主張(1/2 ページ)
損害賠償や言語モデル破棄などを求めています。
米大手新聞New York Timesは、ChatGPTの開発元である米OpenAIと、米Microsoftを著作権侵害で提訴したと明らかにしました。
同紙は、被告が同紙の多数の記事を生成AIのトレーニングのために無断で複製して使用したと主張。損害賠償や被告による不法行為の禁止、LLM(大規模言語モデル)などの破棄命令を求めています。具体的な賠償請求額は示されていないものの、同紙は損害は数十億ドルに上るとしています。
「New York Timesへのジャーナリズムへの投資にフリーライドしようとしている」と同紙は訴え。対価を得ようと被告と交渉してきたものの合意に至らなかったとしています。
New York Timesはまた、ハルシネーション(AIが誤った情報を生成する現象)によって、被告の生成AIが同紙に存在しない内容が載っているかのような回答を生成するとして、「New York Timesが公開していないコンテンツの出典をNew York Timesだとすることで、商業的な、また競争上の損害を与えている」と批判。例として、Bing ChatにNew York Timesの健康関連の記事のリンクを渡して「New York Timesの記事に掲載されている心臓にいい食べ物15個」を聞いたところ、記事に載っていないにもかかわらず15個の食べ物のリストが出てきたケースを提示しています。
英国放送協会(BBC)、CNN、New York Timesなど海外の大手メディアでは、Webクローラーをブロックするなど生成AIによる学習を防ぐ取り組みを行っています。
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