ニュース

骨髄バンク、同時多発テロ当時の危機を振り返る 患者へ届く予定の骨髄液が空港閉鎖で運べず……(1/3 ページ)

そのとき骨髄バンクがとった方法は。

advertisement

 米国同時多発テロ事件が発生した2001年9月11日、その影響で日本のある患者にも深刻な危機が訪れていた――。日本骨髄バンクが公式X(Twitter)で当時を振り返り、注目を集めています。

米国で起きた大惨事の余波とは(出典:PIXTA

患者は骨髄液がすぐ届かないと危うい状況

 事件発生当日、日本では3人の患者が、米国から骨髄液が届くのを待っていたとのこと。しかし事件の影響で全米の空港が閉鎖され、通常の航空機輸送は不可能となっていました。

 しかも移植の準備として、患者の造血機能をいったん破壊する「前処置」は既に完了。予定通り骨髄液が届かない場合には、致命的な結果になりかねない状況だったといいます。

advertisement

多くの人の善意に支えられ危機を回避

 そこで骨髄バンクは、特別チャーター便による緊急輸送を敢行。米国のドナーや全米の骨髄バンクをはじめに、国境を越えて多くの人に協力を受け、3人の患者へ無事骨髄液を届けられたそうです。

 輸送にかかった費用は13万5000ドルで、当時のレートで約1600万円。費用の確保については何もめどが立っていない状態でしたが、事後に募金を呼びかけたところ、すぐに目標を上回る金額が集まったといいます。

 日本骨髄バンクは、「今後も皆さまの温かい善意に支えられていることを忘れずに、骨髄バンク事業を推進して参ります」と、投稿を締めくくりました。Xでは「あの日、そんなことがあったとは知らなかった」「関係者の方にも、耐えきった患者さんたちにも、尊敬の念しかない」「骨髄移植経験者としては、既に前処置を終えている身でのこの状況がどれだけ危機的なのかわかり過ぎる」と大きな反響を呼んでいます。

       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 荒れ放題の庭を、3年間ひたすら草刈りし続けたら…… 感動のビフォーアフターに「劇的に変わってる」「素晴らしい」
  2. そうはならんやろ “0円の画材”と“4万円の画材”、それぞれでジョーカーを描いてみた結果に驚き【海外】
  3. マクドナルド、兎田ぺこらとのコラボ匂わせ→斜め上の解釈で生まれた“架空のキャラ”に爆笑 「それにしか見えないw」
  4. 「ジオング」を“貴婦人風”に徹底アレンジした結果…… 2年がかりの“超大作3DCG”に反響 「立体化してほしい」
  5. 売上7億円超の人気漫画『小悪魔教師サイコ』作画家・合田蛍冬氏が出版社を提訴した訴訟が和解 同一原作の後発漫画が出版されトラブルに 出版社は謝罪
  6. 森口博子、飛行機内でまさかのアクシデント 「気圧でこんな事に」……ビショビショになってしまった姿を見せる
  7. 「普通に失礼だとか思わないんかな」 小浜線公認キャラの展示パネルを覆うように“貼り紙”で謝罪 観光協会「不快な思いをさせた」
  8. 人気格闘家、アイドルと2ショット写真披露するも……表情落差がすごいアイドルにファンから励まし「仕方ない。そこでは勝てない。試合で勝とう」
  9. 心身不調の壇蜜、1年の“30%以上が入退院”な難事に本音吐露 次々襲うネガティブ変化に「難所は多種多様」「長生きって難しい」
  10. 100均のクッションゴム、まさかの使い方に目からウロコ 家中の“プチストレス解消法”に「思いつかなかった!」「これはすごい」