ダニエル・ラドクリフがクソリプ送ってデスゲームに強制参加する映画「ガンズ・アキンボ」の3つの魅力(3/4 ページ)
ジェイソン・レイ・ハウデン監督は、本作はあくまで「娯楽を目的にしたアクションコメディ」として作っており、気楽に見られる「マンガっぽいバイオレンス」が好きだとも語っている。確かに、本作の人が死にまくる銃撃戦はどこかリアルから逸脱しており、大胆なカメラワークや演出も合間って、ポップな印象を持てるようになっている。
おかげで、死体の山(その80%くらいが性格的な意味でクズ)が積まれていくのに罪悪感を持ちにくくもなっており、むしろその過剰さに黒い笑いすら生まれてくる。もっとかいつまんで言えば、「不謹慎上等! 人がいっぱい死んじゃうけど楽しんでね!」な気概に溢れているというわけだ。青少年の健全育成上大変よろしくなく、R15+指定にはもう大納得。そういうのが大好きな悪い大人には、もう全力でおすすめできるのだ。(ちなみにエロはほぼ皆無である)
加えて、この「過剰なバイオレンスに感覚がまひしてしまう」ことは、実は本作の批評的な視点を強化しているともいえる。劇中の殺人ゲームを運営する組織は、その犠牲となる者たちの姿を撮影しエンターテインメントとして売りさばいており、倫理観が完全にまひしている。その殺人ゲームに強制的に参加させられた犠牲者の姿を、映画として見ている観客もまた劇中で殺人ゲームを喜々として楽しんでいる(売り込んでいる)連中と変わりないのでは? という「揺さぶり」をかけられているようでもあるのだ。
とはいえ、そうした批評的な視点、社会的な諫言(かんげん)は刺身のつまのようなもの。やっぱり基本は「ハリポタ主演が両手に銃を固定されてデスゲームに強制参加」「敵の女殺し屋が超強くてやべー」「ドンパチしまくって人がいっぱい死んじゃう」な3つのポイントに魅力が集約されている。コロナ禍で心がふさぎ込みがちな今ではちょうどいい清涼剤となり、スッキリ爽やかな気分で劇場を後にできることだろう。
おまけ:最近のダニエル・ラドクリフの奇抜な役を要チェック!
ダニエル・ラドクリフは実にチャレンジングな俳優だ。何しろ、ハリポタで大スターとなった後は「もうちょっと仕事選べ」「いやその役がハマりすぎてて最高だ」なアンビバレントな気持ちになる、奇抜なキャラクターを次々と演じているのである。
例えば「ホーンズ 容疑者と告白の角」では、相手の欲望をあらわにさせる力を持つツノが生えてくる青年に扮しており、「俺そんなつもりじゃなかったのに!」な役は今回の「ガンズ・アキンボ」に通じている。こちらもR15+指定の過激な内容ながら、「IT」のようなジュブナイルホラーの魅力も備えた楽しい映画なのでおすすめだ。
「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」では敵キャラとして登場。初登場時からクズのオーラを漂わせ、その後もサイコな悪役を本当に楽しそうに演じているので見ているこっちもニコニコしてしまう。内容もマジックを使ったアクションがとにかくカッコよく、特に「スペードのエースの連続隠し&受け渡しによる侵入シーン」はワクワクできるだろう。
そして、「スイス・アーミー・マン」では、「十徳ナイフのようにさまざまな用途で使える死体役」で登場する。見ていない方には何を言っているのか分からないかと思うが、本当にそういう役である。内容は無人島でサバイバルをするブラックコメディー(下ネタマシマシ)でありながら、ラストには意外な感動も待ち受けている。
「ジャングル ギンズバーグ19日間の軌跡」では、行動を共にしていた友人たちと離れ離れになり、孤独のまま遭難する男を熱演している。肉体的にも精神的にも限界を超えていき、もちろん尋常じゃなく痩せ細っていき、幻覚も見え始める。本気で死にかけている男にしか見えず、アカデミー賞主演男優賞を取っていなきゃおかしいと思えるほどだ。
ともかく、大スターで超セレブのはずなのに、すげー変な役を次々にこなし、その全てで見事にハマっているダニエル・ラドクリフのキャリアを追えば、彼のことをもっと大好きになれるはずだ。今回の「ガンズ・アキンボ」では「クソリプを送ったりはするが普通の男」という設定のはずなのに、彼のもともとのポテンシャルもあってか、かなりの狂気を感じさせるというのも味わい深いものがある。そのダニエル・ラドクリフのキャリアの集大成にして完成系を、ぜひ劇場で堪能していただきたい。
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