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» 2021年12月19日 14時00分 公開

2気筒のザッパーはあり? なし? カワサキ「Z650RS」が目指した「カジュアルなレトロスポーツ」像(1/3 ページ)

世界中で話題騒然、カワサキの新型レトロスポーツ「Z650RS」。でも、4気筒ではなく「コレジャナイ」の声も。その裏にあるカワサキのしたたかな戦略とは?

[Webヤングマシン]
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 2021年9月27日に欧州で発表されたカワサキの新型レトロスポーツ「Z650RS」(関連記事)は、日本を含めた世界中で話題騒然。ただ、搭載しているのはZ650と同じ並列2気筒エンジンということで、4気筒を待望していたファンからは「残念」「コレジャナイ」という声も。だがここには、カワサキのしたたかな戦略があるように思えてならない。

Z650RS 話題騒然の新モデル 一方で「2気筒なの? コレジャナイ」の声もあるカワサキの新型レトロスポーツ「Z650RS」
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俊敏な運動性、風を切る音“ZAP”、それがザッパーの本質だ!

 2017年末にZ900RSが登場した際にも、「“Z”スタイルなのに1本サス」や「空冷4気筒がよかったのに水冷か」といった声はあったが、その後の躍進は目覚ましく、2018年〜2020年には401cc以上クラスの販売台数では文句なしの3連覇を遂げ、2021年も4連覇を狙う構えだ。

 長年メディアに携わってきた身として実感しているのは、発表時に賛否ともに声が大きかった製品は長きにわたって愛されることが多いということ。デザインには寿命というものがあると言われるが、多少の違和感を持って迎えられ、それが消化されるまでに時間のかかる製品はデザイン寿命も長い傾向にある。なかなか埋もれない存在感があるといってもいいかもしれない。

Z650RS 1972年に登場し、今も色あせないカワサキ900Super4、通称Z1(ゼットワン)。国内では法規の関係上ラインアップせず、1973年に排気量ダウンした国内版の750RS、通称Z2(ゼッツー)を41万8000円で発売した。※写真は1972年式Z1 [写真タップで拡大]

 デザインと言えばイタリア! というわけでもないが、ドゥカティのパニガーレシリーズや水冷ムルティストラーダ、古くは初代モンスターや916系なども、そんなところがあったように記憶している。もちろんイタリアに限らずとも、BMWの左右非対称フェイスを採用したGSシリーズや、スズキで言えば古くはカタナ、そしてハヤブサが先鞭を付けた縦眼+ラムエアダクトの顔は現在も、メーカーの代名詞として存在感を示している。

 Z900RS/Z650RSが同じような道をたどるかどうかは時間が証明していくだろうが、そもそも1972年に登場したZ1の不滅のデザインを現代に継承したのがZ-RSでもあるわけで、Zの物語は今後も続くと見て間違いないだろう。

 そこで気になるのは、Z650RSのスクープ記事を展開した時から聞かれる「4気筒じゃないのは残念」「こんなのザッパーじゃない」という声だ。

Z650RS 2018年モデルとして2017年末に発売されたZ900RSは、Z1/Z2の伝説が始まったときにまとっていた“火の玉カラー”を現代に再現。キャストホイールにモノショックなど細部は異なるがZのスタイリングを再現していた。初期型価格は129万6000円 [写真タップで拡大]

 実のところカワサキ自身はこれを「ザッパーです」とは言っておらず、奥ゆかしく旧Z650(つまりザッパー)と並べた写真を公開しているのみ。むしろこれをザッパーの再来と騒ぎ立てているのは、我々をはじめとしたメディアのほうである。

 その根拠は何かと言えば、まず単純に排気量が650ccであること。厳密には空冷4気筒652ccの旧Z650と水冷2気筒649ccのZ650RSではあるものの、カワサキが伝統的に強みとしてきた“マジックナイン”こと900ccクラスと対比すれば、大きなくくりでは650ccクラスはカワサキのもうひとつの伝統だ。

 そしてもうひとつ、ザッパー(ZAPPER)の語源となった“ZAP”は英語圏における風を切る擬音であり、俊敏に動く様子を表現したものでもある、ということが根拠になる。言い換えれば軽快な加速や俊敏なハンドリングを持ったバイクということになり、フラッグシップのZ1/Z2に対し軽量コンパクトさで勝負した旧Z650のコンセプトを見事に言い表したのが“ザッパー”というキーワードだったのだ。そして、この“軽快で俊敏、コンパクトであること”を現代の技術やZ900RSとの立ち位置の違いなどから導き出したのが、新型レトロスポーツのZ650RSということになる。

Z650RS KAWASAKI Z650[1976 model]■排気量652cc 最高出力64ps/8500rpm 最大トルク5.8kg-m/7000rpm 車重211kg 価格435,000円(諸元と価格は全てヤングマシン1977年1月号より)
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