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» 2022年05月02日 14時00分 公開

本当に免許不要でノーヘルをOKにするの? 電動キックボードの規制緩和にさまざまなメディア・団体から警鐘 多事走論 from Nom(1/2 ページ)

電動キックボードの規制緩和を含む改正道交法が成立しました。

[Webヤングマシン]
Webヤングマシン
電動キックボードの規制緩和を含む改正道交法が成立、課題も提起 2022年4月、電動キックボードの規制緩和を含む改正道交法が成立。法改正による需要増、移動の課題解決や新ビジネスの創造などが期待されますが……

「電動キックボードの規制緩和」の道交法改正はとうてい納得できません!

 昨今、各メディアで問題視されているのが、速度が20km/h以下のものについては免許を不要(16歳以上)とし、ヘルメットの着用は義務ではなく任意、原則として走行場所は車道ですが、最高速度を6km/h以下に制御できるものは歩道や路側帯も通行可能にするという電動キックボードの規制緩和を促す道交法改正案です。WEBヤングマシンで今年(2022年)の1月20日と、当方からの質問に対する警察庁からの回答を記した1月28日の2回、投稿させてもらいました。

 そして3月4日の閣議で、

  • 最高速度や車体の大きさが一定の基準(最高速度20km/h以下で制御され、長さ190cm×幅60cm内に収まる)に該当する車両を「特定小型原動機付自転車」(以下、特定電動キックボード)とする。
  • 特定電動キックボードの運転には運転免許を要しないこととし(ただし、16歳未満の運転は禁止)、ヘルメット着用を努力義務とする。
  • 特定電動キックボードは、車道走行を原則とする。
  • 特定電動キックボードのうち、一定の速度以下に最高速度が制限されており、それに連動する表示がなされているものについては、例外的に歩道(自転車通行可の歩道に限る)等を通行することができることとする。

 という内容が決定され、3月7日に警察庁から道路交通法の一部を改正する法律案が提出されました。

 これまで原付一種扱いだった電動キックボードを、一定の基準を設けているとはいえ16歳以上なら無免許で運転でき、ヘルメットの着用も義務ではなくなるという、正直言って、とくに我々バイク乗りにとっては驚くような内容です。

 ヘルメット着用、最高速度30km/h、2段階右折など、通勤・通学の便利な足である原付(第一種原動機付自転車)はどんどん規制強化が行われてきたのですが、それと今回の道交法改正案は真逆のように思えてしまいます。

 交通事故の防止、減少、究極的には撲滅が責務である警察庁からこのような道交法改正案が出ることは、正直信じられません。

さまざまなメディアもこの規制緩和に警鐘を鳴らしている

 この道交法改正案の報道を受けて、さまざまなメディアが異論を唱えています。

 特に厳しい内容だったのが、3月22日に配信されたバイク、クルマ関係のメディアではないNEWSポストセブン(小学館)の記事で、「電動キックボード、無免許ノーヘルで公道走行可は見直すべきではないか」と主張。トラック運転手の「無免、ノーヘルは困るね。引っかけでもしたら大変だ」というコメントも交えて、混合交通のなかでの電動キックボードの危険性に言及していました。

 実際、トラックやバスなどの大型自動車の運転手からは、車体が小さく被視認性が低い電動キックボードに関して、左折時の巻き込みや、電動キックボードのすり抜けによる接触の危険性などが指摘されています。

 さらに、3月4日の閣議での決定後、警察のトップである国家公安委員長は記者会見で、今回の道交法改正案で一番懸念しているのは電動キックボードであるとして、自転車でもルールを守らない人が見受けられるなか、電動キックボードがルールを守らずに歩道を縦横無尽に走ったり、思わぬ自動車事故に遭遇するということになると本来の目的(編注:便利な移動手段)とまったく違うことになってしまうと、不安な心持を語っていました。

 また、消費者庁が管轄し、商品テストなどを行う独立行政法人の国民生活センターも、電動キックボードに関して、道路運送車両の保安基準に適合しないものによる走行中の交通事故や道路交通法違反についての報道が増えており、消費者の中には法的な位置付けや乗車方法などを正しく理解していない人がいると危惧を表明。実際に電動キックボードに関する質問が124件あってそのうち7件は危害を伴った内容だったと発表しました。

 上記を踏まえて、現在、販売されている8台の電動キックボードのテストを行って、その結果を「電動キックボードでの公道走行に注意 公道走行するためには運転免許や保安基準に適合した構造及び保安装置が必要です」というタイトルの発表資料で公開しました。

 今回のテストは、産業競争力強化法に基づく新事業活動計画における特例電動キックボード(編注:特定小型原動機付自転車。今回、無免許で運転できるとされるもの)とは異なり、あくまで2022年4月現在、一般に販売されている電動キックボードに対する報告であるとしていますが、製造・販売業者には性能の担保や消費者への継続的かつ十分な説明、警察庁には道路交通法上での区分の周知継続、国土交通省には道路運送車両法上での区分についての周知継続、経済産業省には電気用品安全法に基づく表示に適合しない電動キックボードを販売している業者への指導などを求めています。

 さらに、経産省には、一般に販売されている電動キックボードと「小型特殊自動車」扱いになる電動キックボードは、法律上の適用が一部異なる点についての消費者への周知継続も求めています。

 この国民生活センターの報告書を読めば読むほど、ただでさえネット通販などで購入できる保安基準に適していない外国製の電動キックボードが横行している現状に、16歳以上なら誰でも免許なしで運転できる特定電動キックボードが加わったら、公道(とくに道路の左端)は自転車、バイク、クルマ、電動キックボードが無秩序に混在するカオスのようになり、ライダー・ドライバーは大いに困惑するのは明白ではないでしょうか。

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