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» 2022年05月22日 14時00分 公開

【バイクトリビア】「ネイキッド」の呼称はゼファーから? 一大ブームとなった1990年代400ccネイキッドの歴史

ついにネイキッドの名車・CB400スーパーフォアの生産終了が決まってしまいました……。そういえば「ネイキッド」という呼称は何から始まったのでしょう? ゼファー説、いやもっと昔からだ説、いくつかあるようです。

[Webヤングマシン]
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 クルーザー(アメリカン)やオフロードモデルを除けば、カウリングを装備しないスポーツバイクの総称として使われる「ネイキッド」。バイクのジャンルとしての呼称は、カワサキからゼファーが登場したことがキッカケだと思っていたけれど……違ったの!?

「ネイキッド」バイクの歴史 「ネイキッド」はカワサキ・ゼファーがきっかけと思っていたけれど……違うの?
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1980年代初頭までバイクはカウリングがないのが「普通」 「ネイキッド」という呼称もなかった

 市販量産車初の4気筒エンジンを搭載したホンダのCB750Fourや、もはやレジェンドとして君臨するカワサキZ1などの威風堂々としたスタイル。そして1970年代後半に始まった空前のバイクブームも、免許制度の兼ね合いもあって250〜400ccを主軸としたスポーツバイクはカウリングが非装備だった。

 もちろんレーシングマシンはフルカウルを装備していたが、こと日本車の公道用国内モデルに関しては、「暴走行為を助長する」という理由で、カウリングに認可が下りなかったからだ。

 だから当時隆盛を誇った400cc4気筒も、2ストローク250ccも、そして憧れのナナハンもカウリングがないのが当然の姿。そのため「ネイキッド」という呼称は存在しなかった。

 しかし1982年の中ごろに、規制緩和でカウリングの認可が下りた。そこから盛り上がった「レーサーレプリカ」ブームが、ネイキッドの誕生のきっかけにもなった。

「ネイキッド」バイクの歴史 現在も大人気のホンダ・CBX400F(1981年)。1980年代前半は400ccクラスに4気筒モデルが出そろい、250ccクラスはヤマハRZ250やホンダVT250Fが人気を博した。カウリング非装備がスタンダードな時代なので(国内モデルではカウリング装着が認可されなかった)、まだネイキッドの呼称は存在しなかった時代のバイクである
「ネイキッド」バイクの歴史 1982年中頃にカウリングが認可され、スズキ・RG250ガンマ(1983年)が登場。量産車初のアルミフレームを採用し、45psは250ccクラス最強。WGPで主流だった前輪16インチやアンチノーズダイブ、リンク式リヤサスなど先進のメカも装備。ここから本格的なレーサーレプリカブームが始まった

レプリカブーム到来 その陰で非レプリカ車の存在感は薄かった

 国内で中心的な存在だった400ccも250ccも「高性能スポーツ=レーサーレプリカ」の流れになった1980年代中盤。スポーツバイクはすべからくカウリング装備になった。そうなると「カウルの付いていないスポーツバイクが欲しい」という層も出てくる。

 そこでヤマハが世に放ったのがレーサーレプリカのFZ400Rからカウリングを剥ぎ取った「FZ400N」だ。果たしてこのバイクをどうカテゴライズし、どう呼ぶのか? そこで生まれたのが「剥き出し」や「裸」を意味する「ネイキッド」の呼称だった。同車のカタログに記載された。

 そしてホンダもVFR400Zを発売。やはりカタログには「ネイキッド・マシン」と記載された。しかし、なぜか当時はネイキッドという呼び名もジャンルも浸透しなかった。なんとなく「FZのカウルのないヤツ」「VFRのカウルなしバージョン」みたいな、少々不遇な呼ばれ方をしたのが実情ではないだろうか。

「ネイキッド」バイクの歴史 1984年5月に、ヤマハがTT-F3レース参戦マシンを強くイメージしたFZ400Rを発売
「ネイキッド」バイクの歴史 翌1985年3月にカウリングを装備しないFZ400Nが登場し、カタログには「美しきネイキッド、FZ400N」のフレーズが記載された
「ネイキッド」バイクの歴史 ホンダは1986年3月にフルカウル装備のVFR400Rと、カウリング非装備のVFR400Zを同時発売
「ネイキッド」バイクの歴史 カウルなしモデルVFR400Zのカタログには「体感してほしい。ネイキッド・マシンの痛快さを。」のキャッチコピーがあった
「ネイキッド」バイクの歴史 1989年に発売されたホンダCB-1。エンジンはCBR400RRベースで、カム駆動はギアトレーンという本格派。スチール製のダイヤモンドフレームやタンク、シートなどの外装類は専用品だ。革新的なネイキッドモデルでパフォーマンスには定評があったが、いまひとつ人気を得られなかった

カウルを持たないロードスポーツが復権! 「ネイキッド」の呼称が浸透

 半年ごとにモデルチェンジするような空前のレプリカブームも、1980年代後半になると徐々に落ち着いてきた。あまりのスペック競争(当然プライスも上昇)に、食傷気味となるライダーが増えたのが影響したのかもしれない。そんな1989年、カワサキが時代に逆行したともいえるバイクを発売した。

 2世代ほど前のローパワーな空冷2バルブ4気筒エンジンを鉄パイプのフレームに搭載し、スタイルは至ってオーソドックス。バイク業界や関係者が「なぜ今、このバイクを?」と首をかしげる中で発売されたが、そんな予想を覆して大ヒットしたのが「ゼファー(400)」だった。

「ネイキッド」バイクの歴史 1989年に登場したカワサキのゼファー(400)が爆発的にヒットし、ネイキッドの呼称が一般化。翌90年にゼファー750、そして1992年にはゼファー1100が登場し、いずれもロングセラーモデルとなった

 揺るがぬ人気となったゼファーは750や1100など大排気量モデルもラインアップし、当然のようにライバルメーカーもこの流れに追従した。こうなるとジャンル名がないと不自然、というか不便。そこで浮上したのが「ネイキッド」の呼称だった。今度は瞬く間に浸透していった。

 ……しかし、ゼファーもライバル車も、レプリカ登場以前のオーソドックスなスタイルをしている。「なにか(カウル付きのレプリカとか)」からはがしたり裸にしたりしたわけではない。今思えばネイキッドという呼称は少し違うような気がしなくもない。その意味ではFZ400NやVFR400Zの方が、まごうことなきネイキッドだったはずだ。

 しかし、ゼファーこそが「カウリングを持たないロードスポーツ」を復権させ、確かな一時代を築いた。ゼファーは「ネイキッドの発祥」ではないけれど、それくらいインパクトがあったということなのだろう。

「ネイキッド」バイクの歴史 1992年に初代が登場したホンダのCB400スーパーフォア。「プロジェクトBIG-1」の流れをくむ、力強く、かつオーソドックスなスタイルはCB-1と打って変わって大人気となった。何度もリファインを重ね、ライバル車が生産終了する中でも長らく400cc唯一の4気筒モデルとして販売を続けたが、2022年、ついに生産終了が決まってしまった
「ネイキッド」バイクの歴史 レーサーレプリカに負けない俊足、空冷最速を目指して1993年に登場したヤマハのXJR400。ブレンボ製キャリパー&オーリンズ製リヤショックのXJR400Rや、ビキニカウル+液晶メーターのR2など、よりスポーツ性に振ったモデルもラインアップした
「ネイキッド」バイクの歴史 オリジナリティー溢れる鋼管フレームのバンディットで戦ってきたスズキが、最速のミドルネイキッドを目指して1994年に発売したGSX400インパルス。1980年代にAMAスーパーバイクで活躍したGS1000Sをほうふつさせるビキニカウルとカラーを纏ったタイプSも販売
「ネイキッド」バイクの歴史 カワサキはライバル車に対抗すべく水冷エンジンを搭載し、ローソン・レプリカことZ1000Rをイメージさせる「角Z」スタイルのZRX(400)を1994年にリリース(写真は2008年のファイナルモデル)。不動の人気を誇る空冷のゼファーと二本立てでミドル市場をけん引した

文:ミリオーレ(伊藤康司)(初出:2022年5月10日)

※本記事は“ミリオーレ”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、本記事の内容はオリジナルサイト公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。



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