「やってよかった(涙)」 モーニング・ツー、Web無料公開で売り上げアップ:ねとらぼ
漫画誌「モーニング・ツー」を発売日に丸ごとWebで無料公開したところ、雑誌の売り上げがアップしたという。編集部への励ましの言葉も、たくさん届いたそうだ。
「やってよかった……(涙)!!!」――月刊漫画雑誌「モーニング・ツー」編集部がWebサイトに掲載した報告によると、モーニング・ツー5月号を発売日に丸ごとWebで無料公開した結果、雑誌の売り上げが上がったという。
モーニング・ツー5月号は、「社内外の関係各所と数え切れないほどの折衝、交渉、議論、激論を交わし、すったもんだ、すべった転んだの大騒ぎの末」(編集部)、5月22日に無料公開。Webブラウザに組み込んだコミックビューアで丸ごと閲覧できる仕組みだ。公開から5日で、ビューア起動数は約24万件、総閲覧ページ数は約152万に上ったという。
雑誌には別冊付録を付けてネット版と差別化したほか、雑誌とWebとで絵が異なるページを作り、そのページを当ててもらうクイズキャンペーンを行うなど工夫した結果、「通常より多く刷ったにも関わらず、雑誌の実売率は18%アップした」という。「やり方次第で、雑誌の売り上げに影響を及ぼさずに、発売同時のWeb無料公開が成立し得ることが証明できたのではなか」(編集部)
編集部には多くの声援が届いているそうで、「無料公開という試みそのものに対する励まし、声援がこれほどいただけるとは、まったく想像していなかった。やってよかった………(涙)!!!」と喜んでいる。
地方に住んでいるため都市部と同じタイミングで読むことができなかった読者や、海外在住で読めなかった人から無料公開を喜ぶメッセージを受け取ったという。「作家のみなさんが描いてくださったせっかくの作品を、雑誌というかたちでは、全国津々浦々の読者様に必ずしも十分にはお届けできていなかった」と反省の弁も述べている。
編集部の最終目標は「モーニング・ツーをWeb上ではなく、雑誌のかたちでお届けすること」だが、それ以上に知ってほしいのは、「『雑誌』というメディアの魅力」とし、モーニング・ツーを手にとってほしいと呼び掛けている。
その上で、「Webを使って漫画を見ていただく手法には、より大きな目的を達成するための手段として、大きな可能性があると感じています」と、Webでの無料公開というチャレンジに自信を見せた。
無料公開は今後1年間続ける予定。6、7月号も、発売同時に無料公開することが決まっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 漫画誌「モーニング・ツー」、発売同時に無料Web公開 「危険もあるけど可能性も」
昨年、発売1カ月後にWeb無料公開を敢行した「モーニング・ツー」が、今度は発売と同時の無料公開に踏み切った。 - 漫画「もやしもん」最新話、ネットで無料公開 「減ページで金を払わせるのは忍びない」
雑誌「イブニング」の最新号に掲載された漫画「もやしもん」が、雑誌発売と同時にネット上で無料公開された。「減ページだから、金を払わせるのは忍びない」ためという。 - 「good!アフタヌーン」創刊号をWebで無料公開
漫画雑誌「good!アフタヌーン」創刊号がWebで無料公開される。「購入できなかったという声を多数いただいたため」という。 - ヒット漫画が変わった――完全無料の「ガンガンONLINE」で「常識外れの作品」試す
人気作家の漫画やライトノベルを無料公開する「ガンガンONLINE」は、漫画雑誌には掲載されないような「常識から外れた作品」を掲載し、時代に合ったヒット作品を生みたいという。 - 別れた恋人の連絡先、携帯から消す?
別れた恋人の連絡先は、携帯電話から消す?――携帯サイトのアンケートで、消す人と残す人が意見が真っ二つに分かれた。 - 「ねとらぼ」バックナンバー