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「Internet Explorer 10」がARMで動いた!MIX11(1/3 ページ)

MIX11速報ではIE10のプレビューデモを動画を中心に掲載したが、ここでは4月12日(現地時間)に行われたMIX11基調講演で示された詳細情報を紹介しよう。

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HTML5準拠でIE10のパワーを体験する

 「標準に準拠していない」「とにかく動作が遅い」といわれ続けてきたInternet Explorerシリーズも、Internet Explorer 9(IE9)では、競合するWebブラウザが実装を進めているHTML5+CSS3への対応や、レンダリング/JavaScriptエンジンの改良による高速化などを目標に開発を進めてきた。

 ただ、最初からすべてを実現していたわけではない。2010年3月に行われたMIX10で公開されたIE9 Platform Preview 1(IE9 PP1)ではcanvasタグはサポートせず、videoタグによる動画再生なども実装していなかった。しかし、それから半年あまりにわたるPlatform Previewの継続的なアップデートによりHTML5対応は進み、処理速度の改良も行われた。

 米MicrosoftでIEチームを率いるコーポレート上級副社長のディーン・ハチャモビッチ氏は、標準準拠による快適なユーザー体験の重要性を強調しつつ、Microsoftがこれを実現するためにIE9の開発で何をしてきたのかを説明した。ハチャモビッチ氏は、「IE9 Patterns」と書かれたロードマップにIE9でどのような機能実装が行われたかを示したが、それによるとIE9 PP1以降の改良過程で実装されたものが少なくない。

IE9がPlatform Preview 1から正式版まで1年をかけて実装してきた機能(写真=左)。2011年4月の米国におけるPC用OSのシェア。Windows 7がWindows XPを初めて逆転した(写真=右)

 同社は標準技術としてHTML5をプッシュすべく、「Beauty of the Web」というWebページを公開して、HTML5に準拠したWebページやアプリケーションを多数紹介している。Beauty of the Webは2010年9月のIE9β版公開のタイミングでスタートしているが、その後もアップデートを続けていて、今ではHTML5対応アプリケーションの見本市のようになっている。HTML5対応ならIE9以外のWebブラウザでも閲覧できるが、標準機能を実装する方法や実行速度の違いなど、組み合わせによって正しく動作しなかったり実行速度が大幅に低下したりする場合がある。

 このあたりは、Beauty of the Webを利用して、「Microsoftは標準に準拠していない」というイメージを払拭しつつ、競合するWebブラウザに対する優位性を訴求する狙いがあるとみられる。MIX11でハチャモビッチ氏は新たに4つデモを紹介し、HTML5と最新のWebブラウザの組み合わせでどのようなことが可能になるかを示した。

MIX11に合わせて公開した「Four Square Playground」では位置情報を利用したチェックインサービスを提供するが、HTML5を利用した仮想空間を利用できる

日本のカヤックが開発した「SVG女子」(洋題“SVG Girl”)。SVGのみでフルアニメーションを実現している。従来のWebブラウザではSVGの描画速度が遅くて不可能だったが、IE9などの新世代ブラウザでは実用可能速度に達したようだyoutube:j14xKSE0Rls

ボン・ジョビのライブをストリーミング再生するサービス。円状に並べられた各ウィンドウに異なる複数ライブが同時に再生される、HTML5の実行速度をアピールするデモだyoutube:zwuT8slpCZE

パックマンもHTML5で。4方向に設定されたワープゾーンに侵入することで世界最大という広大なパックマンフィールドを駆け巡ることが可能。自作した迷路を友人と共有して遊ぶこともできる

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Internet Explorer | IE 9 | HTML5 | IE10 | CSS3 | Microsoft | ブラウザ | ARM


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