ライブ映像を格安・プロテクトなしで売ったら、違法コピーされるか買ってもらえるか? コメディアンが実験:せかにゅ
アメリカのコメディアンが、お笑いライブのビデオをコピープロテクトなしで、5ドルの低価格で販売する実験を行った。人々は彼のビデオを違法コピーしたのか、それとも買ったのか?
お笑いライブの映像を、コピープロテクトなしで格安で売ったら、人々はその映像を盗むだろうか、それともお金を払ってくれるだろうか――アメリカのコメディアン、ルイス・C・Kさんがこんな実験を行った。
彼はこの実験で、お笑いライブ2公演のビデオを5ドルの低価格で販売した。購入手順はできるだけ簡単になるよう気を配り、コピープロテクトは一切かけなかった。
発売から4日後、彼はその結果を発表した。発売から12時間で5万人が購入し、売り上げは25万ドル。4日間の売り上げは50万ドルに上り、利益は20万ドルとなった。
ビデオの制作にかかった費用は約17万ドル(大半はライブのチケット売り上げでまかなえた)。さらに配信用のWebサイト制作に3万2000ドルほどかかった。ビデオの売り上げでコストはカバーできたことになる。
ビデオの制作や販売を大手企業に任せれば、20万ドル以上が自分の懐に入っていただろうと、ルイスさんは言う。ただし、ビデオの価格は1本20ドルになっていただろうし、コピープロテクトもかけられていただろうし、国外からの購入も制限され、購入者は個人情報をたくさん取られていただろう。彼自身が販売したからこそ5ドルの低価格になったし、購入者はビデオを自由に視聴できるし、国外からも購入できると彼は言う。しかも彼はかなりのもうけを出すことができた。
「現時点で、実験は本当にうまくいったと言っていいと思う」と彼は結果に満足しているようだ。「ビデオを盗んだ人がいたとしても、多くはない。たくさんの人が買ってくれた」。この売れ行きが続くなら、ビデオでもCDでもチケットでも、同じ方法で販売することを目指すという。
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